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二宮大輝ページ44

瞼の裏で虹色の波が揺れる。息苦しくて浅い眠りを抉じ開けた。
上体を起こした途端に頭が鋭く痛んで、そのままベッドに逆戻り。

ずきずき痛むのを落ち着けるように軽く頭を抑えればなんとなく熱い気がして、ベッドを這い出て熱を測ってみればなんと39度。
ちょうど昨日大きなタスクを終えていたことに安堵しつつ、会社に休みの連絡を入れた。(上司にめちゃくちゃ心配されて3日休みもらった)

幸いにも風邪薬は棚の中にあったので、3粒水で流し込んでまたベッドに寝転ぶ。
冷蔵庫は空っぽだしおなかも空いたけどだるくて動けないから今はいいや、後で友達に買ってきてもらおう。そう思ってメッセージの履歴をスクロールする。

じわり、じわりと熱が上がる感覚とともに悪寒が増していく。友達に簡潔なメッセージを送って布団を口元まで引き上げた。
そのまま履歴を流し見ていたらある名前が目に留まった。

二宮大輝

1年ほど付き合っている、所謂、恋人。互いに忙しくて2ヶ月ほど会えていない。履歴も1ヶ月前で止まっている。
会いたくない、なんていえば嘘になる。会う約束を断ったり断られたりしているうちにどう連絡すればいいのか分からなくなっていて。どんな顔で会えばいいのか分からなくなっていて。

不意に沸き上がった、会いたい気持ちに蓋をするように、携帯を閉じて目を瞑った。