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ちゃぷ、と後ろから伸びる腕が浴槽の湯を揺らす。何も纏わないわたしのお腹に巻き付くそれはわたしのより筋肉質で、そんな小さなことでも男らしさを感じて胸が高鳴る。
「もう、ここでしたい。だめ?」
『ん…だーめ。』
彼はわたしの肩口に噛み付く。そのかすかな痛みは直ぐに熱に変わって、そこだけ敏感になったみたいにびりびりと痺れる。肩に顔を乗せられて身を捩ったわたしにキスをした彼はもう、色を纏っていた。
体の水滴を拭ってタオルだけ纏い、髪の毛も濡れたままにベッドにもつれこむ。
「…いい?」
そう聞いたくせに、返事も待たずに体をまさぐる彼。雰囲気と彼の色香にやられたのか、
『…はやく、大輝でいっぱいにして』
なんて口走ったわたしに
「やめてなんていっても、やめてやんねぇよ」
そういってまた、首筋に噛み付いた。わたしのと同じ匂いがする髪の毛を撫でて背中に触れた。
「煽ってんのか、上等だ」
薄い布1枚の隔たりが取り払われて顔に熱が集まる。
『……っやだ』
「やめねえっつったろ」
逃げられない、逃げるつもりもない。獣の目をした大輝にすべてを委ねて、シーツの波に沈んでいった。
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作者名:Risa x他1人 | 作成日時:2019年8月28日 16時