夢中さ、キミに Hidaka.U

Crazy you 42 ページ43

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- シュッ



車に乗り込んだやいなや、私の目の前に飛貴さんの胸が現れたと思ったら



- カチッ



シートベルトを締めてくれる、というサービス。
いやいや、シートベルトくらい自分で出来ますよ？！と言いたいのに言葉が出てこない。




ドキドキしちゃって。



飛貴「 Aちゃん、大丈夫？ 」


「 …！ 」




久しぶりに名前で呼ばれてまたドキドキしてる。



「 大丈夫…です。」


飛貴「 じゃあ、出発ー！ 」



心做しか楽しそうな飛貴さん、と対照的にドキドキが止まらなくて背く私。



飛貴「 体調悪い？ 」


信号が赤になった所で顔を覗き込まれる。



「 …大丈夫です！ 」


飛貴「 そう？もししんどかったら寝ててもいいからね。 」




それじゃ、仕事なのにダメじゃないですか。



「 …ありがとうございます。」




しばらく車を走らせると、コインパーキングを探し始めた飛貴さん。

商談先の人に駐車場がないと言われていなかったようで、先程警備員さんにきいて困っていた。





飛貴「 こういう情報は先に行ってくれないと困るんだよなあ、どうしよう。ごめんね、Aちゃん 」


「 あ、全然大丈夫です！」




しばらくすると、小さなコインパーキングに1台駐車スペースが空いていた。



「 …こんな狭い場所に停めるんですか？！ 」


飛貴「 ふふっ、大丈夫だよ。ちょっとごめんね？ 」




思わず口走ってしまった言葉、と同時に私のヘッドシートの後ろに回ってきた飛貴さんの手。近づく顔。





ドキドキがまた増した。


今時のドライブデートでは駐車してる時の横顔に惚れる時代じゃなくて、ブレーキのスムーズさに惚れるって誰かが言ってたけど、そんな事ない。


今まさに、間近にある飛貴さんの横顔に惚れ直してる。






飛貴「 はい、お疲れ様。体調は大丈夫そう？ 」


「 …っはい！ 」




また、シートベルトを外してくれた。



これってデートの時にやるやつだよね？




飛貴「 じゃあ、行こっか。」


私の手を引く飛貴さん、やっぱりいつもと様子が違う気がする。






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