夢中さ、キミに Hidaka.U

Crazy you 2 ページ2

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「 ｻｲｯﾃｰ！ 」




バチンと頬から鳴る音はテレビドラマで見るような生ぬるいビンタじゃない。



涼「 ごめん、聞いてくれよ 」



「 聞く？何を？言い訳？それ聞いてはいそうですかって納得出来る話しなの？ 」



涼「 ごめん 」



「 さっきからごめんごめんって、そればっか… 」









「 私、このまま続けるのは無理だよ。………別れよ 」



涼「 A…！話聞けって！ 」



「 ッ離してよ！ 」




私の腕を引っ張る涼と玄関に向かって直進する私

何この修羅場、って俯瞰してる自分がいて怖い。





「 ウッ、なんで追いかけて来ないのよ…、ｸﾞｽｯ 」




玄関から飛び出して後悔。

夜更け前にこんな格好の女が歩いてるよ。
何があったのかと探る目が気持ち悪い、とか考えることが出来る自分が冷静すぎてまた、怖い。






ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ-

ただいま留守にしております。発信音の後にー





「 るかちゃん出てよ… 」



唯一なんでも話せるお友達も電話に出てくれなきゃ、私どうすればいいの。吐き出すところ、無いじゃん。



もっと惨めになっちゃう。街ゆく人がその目で一瞬私を捉えてすぐ目をそらす。なんて虚しいんだろう。




冬の夜風に晒されたせいで、さっき引っ張られていた手が痛い。

強く握られていたのか、赤くなって、あと一歩でアザになってたかもしれないほどの跡。



心も体も痛すぎる。
惨めすぎる私を、誰か、助けて。






- ｶﾗﾝｯ



トボトボ歩いていると、少し先でありがとうございましたーってお客さんを送り出す爽やかな声が聞こえた。




いいな、私もさっきまでは…いや最近まではあっち側の人間だったのに。





送り出されたカップルの方を見て自分を悲観する。

いつから涼は他の女と…？考えたくないのに思い浮かぶのは５年一緒にいた情なのかな。






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