スノードロップ 2【HiranoSho】 (ページ33)

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78 you ページ33

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紫耀くんを見送った数人後には、岸さんが来た。

謎すぎる。私のサインが欲しいのではなさそう。

「岸さん、お久しぶりですね」

岸「そっすね！元同僚が芸能人なんてやばいっすよ」

会社にいた時の岸さんとの会話に似てるようで似てないような。でも根は何を考えてるか分からない不思議な人だなと改めて空気感から感じる。

岸「そういえば、紫耀きましたか？」

「あ、まあ、」

岸「ビミョーな反応っすね」

「あの、岸さんにお願いするのも変な話ですがお願いがあって… 」

岸「俺に出来ることなら何でもするっすよ！」

「ふふっ、ありがとうございます！お願いっていうのが、紫耀くんに紫耀くん自身の人生を歩ゆんでほしくて。私の事なんて気にせずにって。」

「 ……あ、いや〜それはすんません！紫耀のヲタクを止めるのはムリっすね〜、てか素直に自分からそう言えばいいのに、あっ余計なお世話っすか？そいえば紫耀最近珍しく本読んでるんすけど、あ、でも読んでるって言うか悲しそうに眺めてる？分厚い本で内容は俺よくわかんないっすけど読み込まれてる感じで、花が挟まってたような…ってあ時間っすか？！了解っす！じゃ！」

ここまでを多分ふた息さん息で言い遂げた岸さんは嵐のようだという比喩がぴったりなくらいの勢いで去っていった。

てか、紫耀くんあのしおりに気付いてるんじゃん。

わざわざ紫耀くんの近況報告をして居なくなった岸さんのせいで心は曇り模様。

岸さんと紫耀くんの不思議な関係があるからこそ頼めるかなって思ったんだけど失敗しちゃったし。

自分から本人に言えてたら苦労しないけど、
岸さんの言うとうり、自分で言えばいいよって話。

でも、これを本人に伝えたらきっとボロが出て私が紫耀くんを好きだってことに気づかれてしまいそうだから。

自分から切り出すことは、できない弱虫。