スノードロップ 2【HiranoSho】 (ページ31)

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76 you ページ31

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彼の人生を邪魔しない、
つい最近そう誓ったはずなのに。

「紫耀くん…？なんで、、来たの、、」

『あ！芸能人に戻ったら紫耀くんって呼んでくれるんや！嬉しー！てかこれ認知ってやつ？？』

目の前でニコニコ、昔と変わらない笑顔で、凄くキラキラーって輝いて見える。

会社にいる時の紫耀くんとはまた別の顔。

多分、私しか知らないと思う。

なんてのは、少し自意識過剰すぎるのかも。

『あ、認知は昔もあったか！そう考えると俺って幸せなヲタクやんな〜』

勝ち組勝ち組、とかブツブツ言ってるし。

私が黙ってるのにペラペラと流暢にしゃべり続けるのは、どういう意図があって？

『あー！ちゃんと紫耀くんへってサインに書いてくれなあかんで！』

頭でぐるぐる考えながらもしっかり色紙に紫耀くんへと書けている自分の手を褒めたい。

「今日サイン会なんたけど」

『おん、知ってる』

そりゃ、そうか。
今目の前でサイン書いてるし、ねだってきたしね。

「じゃあ、今日はなんでわざわざここに？」

『なんでって、Aちゃんのヲタクだし俺！』

「それは昔の話で、」

『俺がいつヲタク辞めたって言ったよ』

「でも、そんな素振り全然… 」

『そりゃ我慢したよ俺も？！流石に近くで、ザ・ヲタクですみたいな行動してたらキモイでしょ』

うーん、やっぱりどう考えてもファンとする会話では無いし、周りのスタッフもちょっとだけ察し始めてる感じ。

「あのさ、連絡先知ってるんだから言いたいことあるならそこに連絡してきてくれればいいよ？だから、公の場に来るのはちょっと、やめてほしいかな、」

『なんで？？俺普通にAちゃんのヲタクがしたいだけだし！繋がりなんていらんもん！なんなら番号ここで消そうか？！』

「ちょ、声が大きい！！」

『ふふっ、俺の一言であたふたしてるAちゃんかーわいい。これからも末長くよろしくね、Aちゃん！』

そこまで言い終えるとはがしによって目の前から消えた紫耀くん。

邪魔しないって決めたじゃん。

結局紫耀くんのペースに巻き込まれてどうすんのよ。