スノードロップ 2【HiranoSho】 (ページ11)

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56 you ページ11

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レイコ「美味し～これ！お店で作ったやつみたい。」

「そんなお褒め頂けるなんて…。」

レイコ「紫耀くんはこれ逃しちゃったのね～。もったいない。」

パクパクと私の作ったそれを食べてくれる。

どの角度から見ても素敵で。

レイコ「そういえば、タメ口にしてね？敬語は堅くて嫌だな。」

「でも…。」

レイコ「年齢もそんなに変わらないし、お姉ちゃんくらいの気持ちで接してくれればいいから。」

海人「レイちゃんとAちゃん、全然違うタイプだから不思議だね。」

レイコ「ふふっ、たしかに。」

「レイコさんって、大人ですよね。」

レイコ「ほら、また敬語！Aちゃんも大人でしょ？」

私の精神年齢はまだ10代な気がする。

そんな気持ちはないけど、私だって女だし。

海人くんと仲良くするの、あまりいい気はしないはずなのに、こうやって優しく迎え入れてくれる。

レイコ「相手のことを信じたらいいよ。」

「信じる、ですか。」

レイコ「うん。難しく考えずにね。」

それに、紫耀くんのことを好きって分かってるからAちゃんにはメラメラしないよ。

そう、イタズラに笑った顔に硬直する。

「あの、一応聞くんですけど。なんで私が紫耀くんを好きだって…？」

レイコ「結婚式の日に初めましてしたけど、二人の雰囲気とか見ててなんとなーくオンナのカン、かな？」

海人「てかてかてか、紫耀のこと紫耀くんって呼んでるんじゃんーーーーー！」

「あっ、」

海人「本人の前ではなんで平野さんなのよ。」

「まあ、公私区別する意味とか、戒めみたいなものかな。」

レイコ「 Aちゃんは物事を堅く考えすぎなんじゃないかな？」

確かに、あれから人を信じることに対して少しだけ躊躇するようになって。

紫耀くんは違うって思っても、色々なすれ違いがあったせいで何となくまだ信じきれず堅くなってしまうこともある。

海人「うわー、うんまい！昔さ、紫耀がガトーショコラにハマって色んなお店回ってた時期あったんだよね。」

「私もそれ聞いたことある。紫耀くんからオススメの店ベスト3とか聞いたことあった(笑) 」

海人「ふーん。ちゃんと好きなんじゃん？」

海人くんとレイコさんに言われた

「相手のことを考えて相手の好きな物やことを考えちゃってる時点でその人が気になってるんだよ。」

その言葉が妙に腑に落ちることになった。