スノードロップ【HiranoSho】 (ページ34)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:122,596 hit

34 you ページ34

.

廉くんの厚意で、社内の案内係をお願いする。

「へー、廉くんも副社長なんだ。」

往く先々で直角に頭を下げられる廉くんを見て、握手会の時の面影が無いなとも思う。

「廉くん、なんか真面目になった？」

廉「ぷはっ、何そのしつれーな発言笑」

「だって、あの頃チャラそうな人だなーって思ってたもん。営業先で失礼してそうって。」

廉「え、Aちゃんそんな毒舌キャラだったっけ？！」

「こんなもんじゃない？」

廉「うん、思い出してみればそうかも。」

廉くんとのお話に花を咲かせていると、あっという間に全フロア制覇したみたい。

最上階フロアに戻る途中、廉くんが伺うように話し出す。

廉「昨日、紫耀大丈夫やった？」

「お酒臭かったけど、まあ本人もあんな感じだし大丈夫じゃない？」

廉「俺もその場におったんやけど、紫耀が気使って先に帰らせてくれたんよ。」

この話題は避けたいからふーんと話を流したつもりなのに。

廉「俺が接待断りきれんかったから、紫耀を巻き込んでしまってん。」

「私になにか伝えたいことがある？」

遠回りに話している時間はない。

廉「紫耀ってあのルックスで天然なのに社長っていう肩書きをもってるやん？」

「 ……。」

廉「それだけを見た女が言い寄ってくるって話しよ。とにかく、紫耀を見捨てないで癒してあげて欲しいねん。」

ほら、廉くんがあまりにも遠回しに話をするから
ﾁｰﾝと目的階に着いた知らせを受け廊下に出る。

廉「紫耀ああ見えて一途だし、女の子の扱いも全然慣れてないんよ」

もしそれが本当なら、あのネックレスは彼の大切な人の物なのだろうか。

それはそれで、中々くるものがある。

廉「まあ、なんて言うの？あんまり女の子の対応とか慣れてないから、多少の失礼は許してやって？」

「お仕事なので、割り切れます。」

そっか。と微笑む廉くんから、念の為彼女の有無を聞き出した。

廉「今はいないけど、どうしたん？」

効果音を付けるとすればニヤニヤニヤニヤニヤだと思う。

「もし彼女さんが居るなら、女の家政婦がチョロチョロするのは面倒かと思ったけど、」

流石に本人に聞く勇気は持ち合わせてなかった。

廉「ふーんそっか。」

そこまで言うと、つまらなそうに返事をして歩き出した。