スノードロップ【HiranoSho】 (ページ20)

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20 you ページ20

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-コンコン

マンションの前に横付けされた外車の運転席を軽くノックすると、ゆっくり下がる窓。

空いた窓に向かい名刺を差し出そうとしたけど、

その必要はないようだ。

「えっ？！Aちゃん？！！！」

「えっと、、海人くん…？」

顔を覗かせた海人くんはなにやら一瞬で状況把握をしたようで。

本物だー！とか、久しぶりすぎてやばー！だとか口が止まらないようだ。

海人「あ、でもなんでAちゃんがここに？」

一方の私は状況把握が全くできていないものだから。

「えーっと、一応確認なんだけど、平野さんの秘書が海人くん…？」

昨日紫耀くんから聞いたお迎えの車の車種と色はあっているし、他に同じ車は見当たらないし。

海人「うん、そうだよー！紫耀から聞いてない？」

間違えはなかったようだ。

「うん、秘書の人が迎えに来てくれることしか聞いてない」

海人「じゃあ、改めまして今日からよろしくお願いします。」

「ふふっ、こちらこそ。」

差し出された手に私の手を重ねるとなんだか懐かしい。

海人「あの時に戻ったみたいだねー笑笑」

ニコニコ笑う海人くんに少し笑って頷いたけど、元々私のことを応援してくれていたことを考えるとどうしても後ろめたい気持ちがチラつく。

海人「またAちゃんに会えて嬉しい！紫耀から聞いた時なんか、また会えるのかなってワクワクしたもん！」

「嬉しい…？」

海人「うん！なんか、青春を思い出す感じだったんだ。Aちゃんの失踪報道が出てすぐは寂しいとか大丈夫かなとか何があったのかってことばっっかり気にしてたの。

でもね、しばらくしてふと思ったんだ。
Aちゃんがどこかで笑って暮らしてるだけでいいやって。」

「海人くん…」

海人「だから嬉しい！絶対自分を責めないでね。」

海人くんは私の考えることに対して先回りして安心させてくれた。

当時から変わってない、心優しい少年のようだ。