スノードロップ【HiranoSho】 (ページ18)

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いつものように自宅のマンションを開くとパタパタという足音が聞こえた。

…誰かいるの？

「 …紫耀くん、！」

『あ、、Aちゃんか。』

初めは泥棒でも居るのかと驚いたけど、そういえば家政婦さん頼んでたっけ。と冷静に考える。

「平野さん、お酒飲んでました？」

少し怒る様な顔でこちらに問いかけるAちゃんが、本物の彼女みたいで可愛くてしょうがない。

感情的になった彼女に少しの嬉しさと、さっき聞こえた「紫耀くん」というのは今の平野さん呼びで幻聴だと認識してまた悲しくなる。

『セーブして飲んでたつもりなんだけどな』

あれだけの滞在時間があれば少しずつ呑んでいても酔いが回っているのかもしれない。

お店を出た時からフワフワした感覚が抜けない。

「平野さんが無事でよかったです… 」

『俺が？無事で良かった？』

「はい…！」

アルコールが入っているせいでいつも以上に理性がゆう事を聞かない。

別に、彼女はそういう意味で言っているわけじゃないと分かっているのに。仕事で雇い主が居なかったから心配していただけなのに、思わず

「 ……平野…さん？」

彼女を抱きしめてしまった。

『んーいい匂い～。』

その上、彼女の首元に顔を埋めて匂いまで嗅いで。

家政婦にやることじゃない。俺ただの変態やん。

そう思っても身体は上手く動かなくて。

『 Aちゃーん、、』

そのまま意識を飛ばした。