ネジ3つ ページ4
隣にコナン、正面に安室という立場が立場なら自白するしかない状況で、Aは相変わらずサンドイッチを噛んでいた。
「あれ〜安室さん戻らなくていいの？仕事中だよね？」
「さっき休憩入ったばかりだからね。今はそれほど混んでいる時間でもないし」
「へー、あそこのお姉さん達は安室さんに接客してほしそうだけどね」
「……僕にも休む時間は必要だよ」
「なら従業員控え室行ってきなよ。ここじゃ十分に休めないと思うな〜」
「君ってやつはほんとに……僕がここにいる理由ぐらい分かってて言ってるだろ」
「さあ？僕子供だから」
このやり取りの間にAはサンドイッチを食べ終わり、ごちそうさまでしたと手を合わせていた。
「…いつも見てたけど、お姉さんってとっても礼儀正しいよね…」
「まさに日本人女性、大和撫子ですね…」
2人がうっとりとAを見つめる。
「ただの習慣ですよ」
「なおさらいいじゃないですか！そういうところ凄く好きです！」
「今は手を合わせてお礼を言う人減ってきてるからね！そういうところ凄く好きです！」
減ってきてはいてもまだまだ大多数の人がやっている気がするが。
Aは残りのオレンジジュースを一気に吸い上げる。
「いくらですっけ」
「あ、奢りますよ」
「いえ悪いので」
「気にしないでください。僕が勝手にやってることですから」
「いや美味しかったので」
「…〜っ、〜〜〜っ好きです！ 」
「ありがとうございます。千円札しかないのでお釣もらえますか」
安室はお札を受け取り、レジに持っていって小銭を取り出す。ちなみにAのお札は安室の財布に入り、レジには安室のお札を入れておいた。
お金であれどAのものならなんでも欲しい。
そういう固い意志のもと行われたすり替え行為に気付いたのはコナンだけだったが、コナンも気持ちは分かるので黙認した。
「どうぞ」
Aの手をぎゅっと包み込むようにしてお釣が渡された。
「では、これで」
「えっもう帰っちゃうの？もうちょっとお話しない…？」
「そうですよ、僕もまだ休憩中ですし…」
ね？と2人して最大級の猫を被る。
しかし見てるようで何も見てない、聞いているようで何も聞いていないAはさらりと言う。
「宿題があるので」
「なら、ここでやったらどうでしょう！ある程度は僕が教えることもできますし」
「いえ、見られるの苦手なので」
「案外恥ずかしがりなんだね！」
言いながらコナンはどかない。出れない。
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Mito - すごくいい作品ですね 私はこの作品が大好きですよ (2021年3月28日 23時) (
レス) id: 121f4f7b22 (このIDを非表示/違反報告)
水落(プロフ) - コメントありがとうございます！色々読んで頂けているようで、ありがたい限りです！(まさかほろにがクラゲさんからコメントを頂けるとは思っておりませんでした、光栄です！こちらこそ応援してます！) (2019年12月6日 14時) (レス) id: 1398ffddc4 (このIDを非表示/違反報告)
ほろにがクラゲ(プロフ) - はちゃめちゃに名作でした…おかしいな、と思ったことをそのまま世界観にしてしまう発想が素敵･:*+.\(( °∀° ))/.:+連載中の他作品も読んでます、いつも細部の凝り方がすさまじいなと圧倒されます……これからも応援してますね！！ (2019年12月5日 18時) (レス) id: 9807b016db (このIDを非表示/違反報告)
水落(プロフ) - シンアさん» 最後まで応援ありがとうございました！これからもお楽しみいただける作品を作れるよう頑張ります！ (2019年4月22日 21時) (レス) id: 1398ffddc4 (このIDを非表示/違反報告)
シンア - 完結おめでとうございます。お疲れ様でした…。また作品楽しみに待っています。 (2019年4月22日 17時) (レス) id: f6e4c29514 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水落 | 作成日時：2018年11月3日 18時
