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なんだかんだ人間は、『もうどうにでもなあれ』と思った時が1番強いのだ。

ここまで来たらいっそ好きなだけ学生時代の俺が憧れたセリフを言わせてもらうさ。

人生レッツエンジョイ。

「いや〜本当に残念です。俺、お2人には結構期待してたんですけどね」

Aは軽く肩をすくめた。

「…何を言っている」

「あなたはジンに雇われ、僕を潰そうとしていたのでは?」

「あ?バーボン、テメェが先に仕掛けたくせによく言うぜ」

「仕掛けた?一体何の話を…」

2人はそこでハッとAを見た。

恐怖等その他諸々が振り切れて引きつった笑みを浮かべているAは彼らの目にどう映っただろうか。

もちろん、狂気の滲んだ仕事人スマイルだ。

それを見た安室、いやバーボンは1つの結論に辿り着いた。

「……なるほど。僕らがお互いを疑うように仕向けたんですね?」

彼の立てた仮説はこうだ。

ジンを挑発し依頼主にやり返すよう言わせ、その後自分を同じように挑発し依頼主探しをさせる。

後はこちらが勝手にお互いを犯人だと思いこみ、こうして潰し合う。

そう、まんまと彼の筋書き通りの展開にされたというわけだ。

……とことん、恐ろしい男だな。

バーボンは知らず背筋に冷たい汗が流れた。

「ほう……やってくれるじゃねえか…何が目的だか知らねえが、責任はきっちり取ってもらうぜ」

Aはかつての練習通り笑みを濃くする。

「言ったじゃないですか、目的なんてありませんよ。ふふふ、責任はご自分に負わせた方がよろしいのでは?」

「減らねえ口だな…最後にチャンスをやる。今回のことを企てたのはお前か、それとも他に誰かいるか」

正直に答えたら命だけは助かるかもしれねえぜ……と付け足される。

Aは反射的に絶対嘘だ、と思った。

だって俺これやったもん。やって、友達が正直に言っても『嘘くせぇ!』って言ってパァン!ってしたもん。

「……さて、どうでしょうね。どちらの可能性も…ゼロ、ではない…としか?」

かつて学んだこんな時の対処法は『とにかく濁すこと』。

すると人間の悪の組織心がくすぐられ、もっと話を聞き出そうとする。少なくとも当時の俺はそう。

実際有効かなんて知らないけどな!!!

Aは知らなかった。奇跡的に己の発言に含まれた生へのチャンスにも死への扉にもなるワードを。

この場には、『ゼロ』という言葉に過剰反応する男がいることを。

「…僕が話を聞きましょうか。2人で……ね」

人生常にDead or Alive。

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設定タグ:名探偵コナン , 黒の組織 , 男主   
作品ジャンル:ギャグ
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マコ - こんな偶然が重なることなんてある⁉︎笑笑笑。夢主運良すぎな笑笑笑笑 (12月22日 16時) (レス) @page22 id: df9fd7219e (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - めちゃめちゃ面白いやないですか(笑)腹はち切れたww 更新待ってますw (2022年5月22日 13時) (レス) @page48 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
RAMO - めっちゃ好きwww (2022年2月6日 12時) (レス) @page23 id: e4a05cbcc8 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - ((◎д◎))ァァァァァァァ いやー神!神作品とはこの事だ! 見事に起こるすれ違い、、WWW続き楽しみにしてます!! (2022年1月23日 11時) (レス) @page8 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 面白すぎるwwwwwwwww更新待ってます (2022年1月7日 17時) (レス) @page48 id: 2d5bed1f91 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水落 | 作成日時:2018年12月14日 15時

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