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その後Aは震えながら待ち合わせ場所に戻り、無事田中さんといちご狩りに行った。
悩み抜いて選んだ農園は大当たりで、はちゃめちゃにうまかった。
田中さんと来年も行こう、絶対に行こうなんなら年内にもう一度行こうと熱く約束してから帰路についた。
そういえばあの田中さんじゃない銀髪の人、やり返せとか連絡しろとか言ってたけどどうすればいいんだろうな。
こちとらご主人様も連絡先も毛ほども知らない。
とにかくまあもう会うこともないだろう、と適当に結論づけて考えるのをやめた。
しかしその数日後、Aはまた大ピンチを迎えることになる。
「さて…どういう目的で僕に付きまとったのか、教えていただけますか」
目の前の金髪男はにこりと微笑むが、雰囲気は冷たい。怖い。
「付きまとう…とは?」
「シラを切っても無駄ですよ。ここ数日、あなたが幾度となく僕の前に現れ分かりやすい挑発をしていたのに気がついていないとでも?」
「さあ…心当たりはありませんが」
待って、この人もしかしてポアロの人じゃないか?
そういえば梓さんを見たくて外から店内のぞいてる時に見た気もする。
まさかそれで今こんなに怒られているんだろうか。とんでもない誤解を招いてしまっている…。
愕然とするAを金髪の男は睨む。
「よく言いますね…3つ、全ての時に現れておきながら」
「3つ?」
「とぼけるのはここまでにしてもらえますか。僕も暇ではないのでね…」
「いやいや、本当に何のことだか…?」
刺激しないように優しく微笑み、穏やかな声音を出す。
が、それは全くの逆効果だったらしく金髪の男にガッと襟を掴まれる。
「口で言っても吐かないなら、強引な方法に出ざるをえませんが」
あっこれは完全に信じられていない、よく分からないけどバカ正直に話していたら多分やばい。
そう肌で感じ、咄嗟にAの『口からでまかせスキル』が発動した。
「いや…よく分からないですけど俺あの双子なんで、そういうことかもしれません」
どういうことかは聞かないでくれ。こっちにも分からない。
だが双子なんて真っ赤な嘘だし、なんかこの人怖いし、信じるわけ
「双子…!?なるほど、だからか…!」
あっやったなんか信じてるぜセーフ。
金髪の男はぱっと手を離し、急に人の良さそうな雰囲気になる。
「えっと…すみません、まさか人違いだとは…」
「気にしないでください。双子ですからしょうがないですよ」
まあ多分よくある見間違いだろう。
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マコ - こんな偶然が重なることなんてある⁉︎笑笑笑。夢主運良すぎな笑笑笑笑 (12月22日 16時) (レス) @page22 id: df9fd7219e (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - めちゃめちゃ面白いやないですか(笑)腹はち切れたww 更新待ってますw (2022年5月22日 13時) (レス) @page48 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
RAMO - めっちゃ好きwww (2022年2月6日 12時) (レス) @page23 id: e4a05cbcc8 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - ((◎д◎))ァァァァァァァ いやー神!神作品とはこの事だ! 見事に起こるすれ違い、、WWW続き楽しみにしてます!! (2022年1月23日 11時) (レス) @page8 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 面白すぎるwwwwwwwww更新待ってます (2022年1月7日 17時) (レス) @page48 id: 2d5bed1f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水落 | 作成日時:2018年12月14日 15時