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田中さんじゃない銀髪男は異様に目つきが悪い。絶対カタギじゃない。
嘘だろ…田中さんはもっと仔犬のような潤んだつぶらな瞳をしている…。
絶望に打ちひしがれていると額の拳銃がごりごりと急かすように動く。
「答えやがれ…」
デジャヴなセリフを聞いて反射的に口から言葉が飛び出てしまった。
「ふ…ご自分でも見当がついているのでは?」
やらかしたと思った。完全に煽ってるじゃないかと。
そもそもご自分どころかこっちが見当ついてません。あなたが誰かも分かりません。
しかしこれはもう学生の頃に染み付いた癖みたいなもので、反省するそばからぽんぽん言葉を発してしまう。
「あァ?こんな陰気なやり方をする奴なんざ知らねえな…」
「おや、そんなはずはないと思うんですがね」
「何?…おい、バーボンとベルモット、テメェはどっちからだ」
ンンンー?どっちからって何だ、飲む順番のこと?そもそも缶ビールぐらいしか飲まない人間はどう答えるのが正解なの?というか今何故それを聞いたの?
「…ご想像にお任せします」
「何が目的だ」
「さあ?遊び、暇つぶしの類いですかね」
学生の頃の俺、目的聞かれた時こういう返しするのだぁいすきだった。さあ?とか言うの超好きだった。今言ってんじゃねえよ俺のバァカ。
「…チッ!面倒な奴らだ…いいぜ、俺も遊んでやるよ」
田中さんじゃない銀髪はギタリと笑う。
わあー、こういう笑い方、友達とめっちゃ練習したなあ。お手本みたいにうまいなあこの人。
そりゃ(恐らく)本物だもんな、ははは…。…俺、やっぱ額に風穴空いちゃうかな…。
「おい、テメェのご主人様にはいくらもらった?」
知らない内に俺のせいじゃなくなってた!なんか知らないがよかった!いやよくねえ!
「そうですね…ひと月は生活に困らない程度、でしょうか」
俺のご主人様は会社(ホワイト)です。いつもありがとうございます。
「くだらねーことに金をかけやがる…まあいい。その倍出してやるからこっちにつけ」
「というと?」
「テメェが頼まれたことを、そっくりそのままご主人様にやってやりな…できるだろ?」
「なるほど、良いでしょう。ではたった今から、俺のマスターはあなたになります」
まっっマスターって言ってしまったうわ恥ずかしあああああ
「ふん、済んだらまた連絡しろ。どうせ俺からマークを外すつもりはないだろうからな…」
不機嫌そうに田中さんじゃない銀髪は去っていった。
…こ、こえー…。
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マコ - こんな偶然が重なることなんてある⁉︎笑笑笑。夢主運良すぎな笑笑笑笑 (12月22日 16時) (レス) @page22 id: df9fd7219e (このIDを非表示/違反報告)
うぇ - めちゃめちゃ面白いやないですか(笑)腹はち切れたww 更新待ってますw (2022年5月22日 13時) (レス) @page48 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
RAMO - めっちゃ好きwww (2022年2月6日 12時) (レス) @page23 id: e4a05cbcc8 (このIDを非表示/違反報告)
\(^o^)/ - ((◎д◎))ァァァァァァァ いやー神!神作品とはこの事だ! 見事に起こるすれ違い、、WWW続き楽しみにしてます!! (2022年1月23日 11時) (レス) @page8 id: 111ab3751f (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - 面白すぎるwwwwwwwww更新待ってます (2022年1月7日 17時) (レス) @page48 id: 2d5bed1f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水落 | 作成日時:2018年12月14日 15時