救世主。３

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有岡side



圭人と山田の剣士同士の戦いは加速していった。




お互いの剣同士がぶつかり合うとそこから火花が散りお互いの力のぶつかり合いで突風が吹く。





くっそ、突風でまともに戦いが見えない。






突風が止んだ時を狙って2人を見ると、圭人が数カ所切り傷を負いながら剣をぶつけ合っていた。





有「圭人！」

山「どうした、攻撃を仕掛けてこないのか。」

圭「山ちゃんを切れるわけがないだろ！！」





剣を交えながらお互い睨み合って圭人と山ちゃんが話すと、圭人が剣に力を込めて山ちゃんを押し離す。





山「さっきから山ちゃんや山田とばかり俺のことを呼ぶが、俺はそのどちらでも――ぐっ！」

　


山田がルシファーである事を言おうとしたのだろう、でも急に頭を痛そうに押さえていた。





圭「山ちゃん！！」

山「俺は…山ちゃんではなっ…ぐぅっ！」



山田は剣を落として両手で頭を抱えてその場でふらつきながら痛みにもがいていた。




有「山田！お前は山田だ！山田涼介なんだよ！！」

圭「ルシファーに勝って！山ちゃん！！」

山「2人とも…ごめ、逃げっ……うおぁぁあ！！」





俺らが声をかけて更にもがいていたが、山田はまたルシファーの顔立ちになり落とした剣を拾い圭人に斬りかかった。





それを圭人は後ろに下がって避ける。





圭「山ちゃん！俺は山ちゃんとこんな戦いをしたくないよ！！」

山「黙れ黙れ黙れ！！俺はデーブル様から認められた四天王、ルシファーなんっ…ぐっ！」





この城で山田が現れた時はポーカーフェイスを保っていたのに、今は山田の顔は険しく汗も大量にかいていて余裕がなさそうだった。





きっとルシファーと化した山田の心の中にはちゃんと《山田涼介》がちゃんと残っていてその山田が自分自身を否定する事を拒んでいるんだ。






有「山田！自分に負けるなー！！！」

山「うるさい！！黙れ！」




山田は痛みと闘って苛立ち、目の前にいた圭人に全力で斬りかかった。




圭「やまっ……ぐあっ！」




圭人は咄嗟に目の前に二刀流の刀を横持ちで構えて上から斬りかかる山田を止めたけど、山田の力強さに負けて押されて咄嗟に避ける。





でも、剣の先が圭人の左肩から肋骨まで擦り切り傷ができて血が流れた。





圭人は痛みでその場に傷口を押さえて跪いた。

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