救世主。２ (ページ10)

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俺と交代で薮が見張りをして、朝日が登り始めると俺らは早々に洞窟を出てまた歩きはじめた。

そして洞窟から歩くと段々と林の中へ入っていった。

知「カルナ、林の中で僕たちは方向がわからないんだけど心玉の気配はどう？」

カ「それが、すぐそこまで近づいて来てます。」

有光薮知裕「「「「「へ？？」」」」」

近づいて来ているって、そんな急なことあるの！？

次の瞬間、右方向からガサッと物音が聞こえて俺たちは一斉に物音がする方へ構えた。

すると、木影から猪が俺たちに向かって飛び出した。

光「い、猪ーーー！？」

敵かと思ってたら、予想外の襲撃者が現れて俺たちは取り乱してしまった。

しかし、取り乱したのも束の間。

猪の背中から一本の槍が刺さって、猪は俺たちの目の前で倒れた。

有「え？！誰がやったの？」

薮「俺なわけがないじゃん！」

裕「俺も、違う違う。」

他のメンバーをみても、みんな首を横に振って全力否定をする。

それじゃあ誰が猪を撃ったんだ？

わけがわからず固まっていると、猪が出てきた方からまた草の音がして俺たちはまた攻撃体制を取る。

カ「待ってください！心玉の気配です！！」

裕「え！ってことは…」

髙「大丈夫ですか！？お怪我はありませんか？」

有「髙木！！！」

木影から出てきたのは、紛れもなくあの髙木だった。

でも、今の髙木は片手に弓を持ち背中には槍が数本入った入れ物を背負っており服装もまるで狩人のような服装をしていた。

髙「え？なんで俺の名前を…」

裕「そんな、髙木俺たちのこと……」

まだ記憶が戻ったばかりだから、現状を受け入れられてないゆーとに俺が背中を軽く叩く。

有「とにかく、助かったよ。」

光「助けてくれてありがとうな。」

髙「いえ、とんでもないです！…え、カ、カルナ様！？すみません、気づかず無礼な態度で！」

序盤から救世主になり、記憶を無くしたメンバーの対応に慣れてる俺と光くんで髙木の対応をしてると、髙木は俺らの足元にいるカルナを見つけて慌ててその場で土下座して頭を下げた。

本当どんだけ敬われてんだよ、って毎回思わされるな。

カ「いえいえ！大丈夫です、気にしていないのでどうか顔をあげてください。」

髙「最近、救世主様方がカルナ様と共にまた戦いに出られたと噂を聞きましたが…本当だったのですね。」

髙木も記憶はなくても救世主がどういう存在なのかは把握してるのか。