救世主。２ (ページ44)

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圭人の気持ちはすごくわかるよ。

俺だってみんなの前で泣き叫んだし。

有「俺も山田と傷付け合いなんてしたくないし、するつもりもないよ。」

圭「え？」

有「俺たちはみんなちゃんと生き残って山田も助けてみんなで元の世界に帰る！！だから、圭人も力を貸して！一緒に戦おう！」

俺が圭人の両肩に手を置いて伝えるけど、圭人は俺から目を逸らした。

圭「俺がそんな大役務まらないよ。」

圭人から予想もしない言葉が出てきて、俺たちは全員固まった。

裕「何言ってんだよ。圭人だって救世主に選ばれてるんだろ？」

圭「けど！！1000人の剣士でも歯が立たなかったんだよ？！俺ら9人でなんとかなる問題じゃないじゃん！それに…俺はJUMPの時、みんなの力に全然なれてなくて…ここでも足手まといは嫌なんだよ。」

有「誰がいつ圭人のことを足手まといって言った？」

俺がいつも低い声で言うと、圭人は顔を顰めて身体を震わせた。

髙「おい、大ちゃん。」

有「俺はな、JUMPの時も圭人を足手まといなんて思ったことは一度もねえ！圭人のファンだってたくさんいただろ！」

圭「でも！今回は話が違う！命をかけなきゃいけないんだ！」

有「だからって、このまま俺たちがやらなきゃ誰がやるんだよ！！俺たちがやらなければもちろん俺たちも元の世界に戻れやしないし、ここの街の人だけじゃなくて世界のなんの罪もない人々がどんどん殺されてくんだぞ！！」

光「おい、大ちゃん少し落ち着け！」

薮「圭人の気持ちも分からなくはないだろ？」

俺が圭人に怒鳴りかかると、光くんと薮くんで両腕を持たれて圭人から引き離された。

「なに、喧嘩？」

「人多いぞ？大丈夫なのか？」

俺の怒声を聞いた近くにいた人々が気にして圭人の店を覗き込んでくる。

伊「すみません！大丈夫です、もう収まりますから。」

1番入り口の近くにいた伊野ちゃんが寄ってきた住民にうまく伝えて野次馬になるのを阻止できた。

有「俺たちは待ってるからな。」

圭「ごめん。ちょっと1人にさせて。」

圭人が俺たちに背を向けて店の奥へ入ろうとした時だった。

ドガァァァンーーー！！

店の外の方から大きい爆発音がしたと同時にみんなその場でふらつくくらいの地響きが起きた。