救世主。２ (ページ43)

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圭「実は…これをこの街の写真家さんが持ってきてくれて。」

そう言って圭人は店の奥から1枚の写真を見せてきた。

その写真には、伊野ちゃんが大図書館でドラゴンと戦ってる俺たちが写っていた。

有「これって…俺たち！」

俺が写真に目を通したあとで圭人に視線を向ける。

すると、圭人は俺を見て頷いた。

圭「実は大ちゃんたちが戦ってるところにこの街の写真家さんがたまたま通りかかったみたいで戦闘の様子を写真で撮ったらしいんだ。」

なんて危険なことを…

写真を撮ったのがバレてドラゴンに見つかったりしたらもしかしたら殺されてたかもしれないんだぞ。

まぁ、ここにこの写真があるってことはそうならずに無事にこの街に帰ってこれたってことだろうからいいんだけれど。

髙「でも、なんでその写真家さんが撮った写真を圭人が持ってるの？」

圭「その写真家さんが外に出る時、護身用で弓矢を持ってたらしいんだけど弓を壊しちゃったみたいでね。ちょっといい弓だったから俺がなんとかして直したら『お礼にあの伝説の救世主様方の栄光ある戦闘を納めたこれでもいただいてくれ！』ってもらったんだよ。まぁ、それでみんなの顔を見て思い出したってわけ。」

光「でも、圭人すげえな！俺なんて最初大ちゃんと再会してもすぐ思い出せなかったぞ？」

光の言葉に圭人は目を見開いて驚いた。

圭「え！そうなの？！みんなも覚えてなかったの？」

伊野ちゃんと違って状況が読めずパニックになった圭人にカルナと一緒に俺たちはデーブルによって記憶を書き換えられたことや今までどういう旅をしてきたのかや知ってることを全て話した。

もちろん山田のことも隠さずちゃんと伝えた。

有「俺たちが把握して圭人に伝えられることはこれくらい。」

圭「そんな…山ちゃんが……」

圭人も山田のことを聞いた瞬間、みんなと同じように地獄へ叩きつけられたような顔をした。

光「信じられねえよな。俺たちだって最初は信じたくなかったけど。でも、大ちゃんに『逃げろ』って言ったんだ！山田以外に俺たちにそんなこと言う敵なんているわけないだろ？」

岡「そうだけど…やっぱり、信じたくないよ。山ちゃんと戦わないといけないなんて嫌だ。」

血が出そうと思うくらい唇を噛み締めて、圭人は俯いてしまった。