救世主。２ (ページ37)

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急に黙った俺の肩に知念が片手を乗せていた。

知「でも、結局はどんだけ喧嘩しても気付けば仲直りするのが僕たちなんだけどね？」

そう言って俺の背中をドンッと力強く叩かれて、その拍子で俺は少し前にふらつく。

有「いって！」

知「もう、喧嘩のことは気にしないよ！ちゃんと俺たちが知る涼介と再会できたら謝ればいいじゃん！」

有「そうだな…悪い。」

俺が謝ると知念は呆れて小さくため息をついた。

知「今度なんか喧嘩のことでマイナスなこと言ったら元の世界に帰ったらその分ご飯奢りね！」

有「げっ！！」

裕「あ！俺も！」

話を聞いていた、ゆーとが手をあげた。

伊「それじゃあ俺も！」

光「いやいや俺も俺も！」

髙「まぁ、ここは仲良くみんな分奢りな！」

ゆーとに合わせて、周りのみんなも手をあげ出した。

有「そんなことあるかよ！！」

くだらないやり取りでまたみんな笑いに包まれる。

そんな俺たちをカルナは口をポカンと開けてみていた。

近くにいた薮ちゃんはカルナを抱き上げた。

薮「すごいだろ？どれだけ敵が強くても、辛い現実叩きつけられてもみんないればああやって元気になれるんだ。」

カ「僕、正直ずっと心配していました。急に仲間と離れ離れにされて命懸けの戦いに繰り出されて…次第に心が壊れてしまうんじゃないかって。」

身体を震わせながら本音を話したカルナの頭を薮くんは優しく撫でる。

薮「大丈夫、心配無用！現に山田がインベーダーの味方になっているのがほぼ確実っていう現実を突きつけられてもこんだけ明るくなれてる。俺らは大丈夫！！」

はにかんだ笑顔でかけられた薮くんの言葉にカルナも釣られてニカっと笑う。

カ「はい！！今はとても頼りにしてます！僕、信じてます！！皆さんなら必ずや救世主の役目を果たしてくれるって！」

薮「もちろん！！任せとけ！」

髙「カルナー！次はどこへ向かってるの？」

薮くんとカルナが話してるところに髙木が振り向いて歩きながらカルナに行き先を聞く。

カ「今向かっている先は生産の街です。」

光「生産の街？」

カ「はい！名の通りいろいろもな物を生産している街です。大きい工場から小さな工場、いろんな規模の工場が立ち並びこの世界で必要なものを生産しています。布や日用品、家を建てる木材やレンガ、本当作られているものは様々です。」

本当に名前のまんまの街だな。