救世主。２ (ページ27)

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有「ほ、ほん「本当ですかー！？」

俺が反応したらその倍のリアクションの光に遮られた。

「はい！丁度みなさん全員乗れますよ！」

おじさんに誘導されて外へ出ると、そこには丁度6人くらいが座れそうな荷台を2頭の馬で引いた馬車があった。

有「すげぇ…こんな大きな馬車テレビでしか見たことないぞ！」

「よく、パンや食事の材料を運んだり、注文が多い時に注文されたパンを運ぶ時に使うのです。今回は大図書館の注文のみですので皆さん乗っていただいて大丈夫ですよ。」

カ「本当に助かります！ありがとうございます！」

「カルナ様や救世主様方がいらっしゃるお陰で私たちは今日もこうして生活できて店も出せてるんです！その恩を考えたらこれっぽっちなんも感謝されることではございません！」

カルナとこの世界を回るようになってきて思うけど、本当にみんな温かい人たちばかりだな。

初めて会う俺たちのためにこんな尽してくれるんだもんな。

おじさんが運転する馬車の荷台に乗り揺られながらそんなことを考える。

髙「なんか、インベーダーがなんも罪もないこんな優しい人たちを恐怖に貶めてると考えると本当に許せないな。」

俺の隣に座ってる髙木がとても険しい顔をして俯いていた。

こんな顔つきの髙木は初めてみた。

有「俺だってそれは何度も思ったよ。」

光くんがいた村や知念が住んでたという街、ゆーとがいた風車街。

そこで死んだ人々のことを考えると、今にも怒りが爆発しそうだ。

裕「気持ちはすごくわかるよ。俺も自分が住んでた街でインベーダーのせいで死んだ人たちの遺体を見てとても辛かった。守ってあげれなかったって悔しさと無差別に人々が殺されてる現実を知って怒りが抑えられないかと思った。」

ゆーとが拳を自分の目の前で強く握りしめる。

有「そうだな…忘れろとかじゃなくて、もう起きたものはいくら頑張っても変えられない。だから、これから救える人たちを1人でも多く救っていこうと、俺は思っている。」

俺の膝の上に乗ってるカルナは嬉しそうにしていた。