救世主。２ (ページ23)

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水の救世主ページ23

翌日の朝。

俺たちは十分な食事を取ると、そのまま髙木の家を後にした。

裕「薮ちゃんやっと歩けるようになったね。」

薮「うん、歩けないことの辛さに気付いたよ。」

薮くんも治癒のおかげで体内の毒は完全に消えて、無事今まで通り身体を動かせるようになった。

本当、すごい技だよ。爽爽治癒ってやつは。

後ろでゆーとと話してる薮くんをチラッとみて、俺たちはカルナの後ろをついて行った。

知「カルナ、今度はどこへ向かうの。」

カ「ここからまた少し道のりは長いですが、大図書館があるんです。そこにはこの世界のことや各街、村の歴史やとにかくいろんな情報をそこで知ることができます。もちろん、100年前のインベーダーの戦闘のことも。そこに行けばまた何か勝利のヒントは見つかるはずです。」

大図書館か、そこで何か俺たちのメンバーの居場所に繋がる何が得られればいいけれど。

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その頃のデーブル城では、デーブルに仮面男が呼び出されていた。

『どうだ、救世主どもと拳を交わした感想は。』

「…………果てしなく弱いです……６人相手でも、俺が圧倒的有利で戦闘ができました。」

『ほう、それではなぜやつらを最後まで殺さなかった？』

身体に緊張感を与える低い声で痛いところを聞かれて一瞬、仮面男の眉間に皺が寄る。

次の瞬間、仮面男の頭に激しく痛みが襲いかかる。

「ぐ、あ''あ''ぁぁっ！！」

『私は呆れた。お前の力に私は期待しておるのだぞ？それをどことなく裏切られたのだ。殺されずに済んだことにありがたいと思え。』

「も、うしわけ……ございません……次こそは、必ずや、奴らを成敗してまいります。」

デーブルにマントをなびかせながら背を向けて、仮面男は王室を後にした。

王室から出ると、仮面男の脳裏に殺そうとした太陽の救世主の姿が過ぎる。

有《みんな……ごめん。》

「くっ……」

仮面男は頭を抱えるも、すぐ立ち直って脳裏から太陽の救世主の存在をかき消すとそのまま王室から離れて行った。