救世主。２ (ページ1)

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薮「大ちゃん。俺だってみんなには少し劣るかもしれないけど、回復だけじゃなくてちゃんと筋力だってパワーだって上がってる。回復もこれから慣れていくから、だからそんな顔すんな？」

不安になっていると、それに気づいたのか薮は真っ直ぐ俺を見てゆっくり起き上がった。

有「ちょっと、立って大丈夫なの？」

薮「うん…もう大丈夫。」

有「…そっか。」

「あの……」

俺らの話が終わると、入りづらそうに店の主人さんが俺たちに話しかけてきた。

カ「どうされました？」

「カルナ様がここにいらしてるってことは、まさか被害がここまで進んできているということでしょうか？それに、なぜゆーとに会いに来られたのかわからないんです。」

被害がこの街の付近に迫ってきてるのは間違いない。

現に、ここから歩いて数時間の距離のタサリさんの家が襲撃にあったんだ、この街も正直…時間の問題だ。

でも、その事実を言うのはカルナも辛いだろうな。

知「インベーダーの被害はこの街の近くまで来ています。ゆーとは……今は記憶を失くしていますが、僕たちの仲間です。」

なんて言おうか、きっとみんな考えてたと思う。

でも、みんなのそんな考えも虚しく知念がどストレートに本当のことを主人さんやおばさん、ゆーとの顔を真っ直ぐ見て伝えた。

そして、当然ながら事実を知った３人は口をぽかんと開けたままフリーズしていた。

裕「ど、どういうことだよ…俺と、あなたたちが…仲間？！俺、今日初めましてなのに。」

光「おい、嘘だろ！そんな「光くん、待って。」

俺らに怯えているゆーとに近づこうとした光を止めて、俺は座ってるゆーとの前にしゃがんで真っ直ぐゆーとの顔を見た。

有「ゆーと、突如現れたやつに『仲間です。』なんて急に言われたらそりゃビビるよな。でもな…ここにいる俺たちみんなは、ゆーとと一緒に同じステージで歌って踊って13年と数ヶ月頑張ってきた！その記憶はあることを覚えておいてほしい。」

裕「ス、ステージ？！13年って…そんなわけが…」

「そうよ！ゆーとくんはずっとここのパン屋で働いてるんだよ！？」

おばさんがゆーとの隣に座りゆーとの背中に手を回した。