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#42 貴方side ページ42

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来る、3月1日。






『ね、蛍くんは寂しい?』

「……まぁね」

『ほんと?』

「だって、一生会えなくなるわけじゃないし」






今日は、みなさんご存知 卒業式の日。



多くの3年生が、この学校から旅立った。






時刻は、午後1時。



卒業式も終わり、見送りも終わって
静まり返った校舎内に、私たちはいた。









『寂しいなぁ』





さっきまで大号泣だった私。



というのも、見送りのときに遡る。















「月島ー!倉橋ー!」

『……せん、ぱい』




部活が一緒だった先輩たちと、さっきお別れを告げて
涙涙だった私のもとに駆け寄ってきたのは、

菅原先輩。



その姿を見た瞬間、また泣きそうになる。






「え、ちょっ!泣くなって!」


月島ヘルプ!


と菅原先輩は明るい声で言う。






私は、必死に目元を拭って菅原先輩に笑顔を向ける。









『菅原先輩、今までお世話になり、ました』

「こっちこそ、ありがとな」





ワシャワシャと頭を撫でられ、また俯く。



すると、暖かい手が 私の手に触れた。





その手は、菅原先輩のものだった。








へ?

と驚いて顔を上げると、
私の手には何かが乗っかっていたことに気づく。






「これ、やる」






それは、第2ボタンだった。









そこでまた私は号泣する。




蛍くんが隣にいたけど、蛍くんは何も言わないでくれた。









私が泣いている間に、蛍くんと菅原先輩はお別れを告げたようで






「じゃーな!結婚式は呼べよ!」



と、いつものような明るい笑顔で去って行った。




『蛍くん、怒ってる?』


菅原先輩から第2ボタン貰ったこと、






そう言うと蛍くんは、私の頭にぽん と手を乗せた。








「怒ってない」

『ありがとう』



























そして、今に至る。




2人だけの教室。








先生に見つかったら怒られるかもしれない





でもそれより、











『私、大学は蛍くんと同じところに行く』




こんな寂しい思い、したくない








『勉強頑張って、頭良くなって、』









その先は、言えなかった。




また涙が溢れそうになったから。









今日の私、涙腺緩いなぁ









蛍くんは、何も言わなかった。




何も言わずに、抱きしめてくれた。





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設定タグ:ハイキュー!! , 月島蛍 , 烏野高校   
作品ジャンル:恋愛
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あいうえお - 本に手が届かない夢主ちゃん、定番だけどかわいい(*´˘`*)それをなんでもない顔(想像)で取ってあげるツッキーも何もかもが尊い....とっても面白いです! (3月6日 1時) (レス) @page16 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - てけてけさん» こんにちは。今回はコメントありがとうございます。訳あって別なアカウントから返信しておりますが、正真正銘、この作品を書いていたハルカです。この件につきましてはお知らせという形で作品を更新させて頂きました。今回のご指摘、本当にありがとうございました。 (2020年3月4日 10時) (レス) id: ceba397b5d (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 飴ちゃんさん» こんにちは。今回はコメントありがとうございます。訳あって別なアカウントから返信しておりますが、正真正銘、この作品を書いていたハルカです。この件につきましてはお知らせという形で作品を更新させて頂きました。今回のご指摘、本当にありがとうございました。 (2020年3月4日 9時) (レス) id: ceba397b5d (このIDを非表示/違反報告)
てけてけ - 初コメ失礼します。数年前に発見して以来、何度もサイトを訪れてしまうほど、ハルカ様のファンです。さて、別の作者による本作品のパクリについてはご存知ですか?(厳密に申しますと、赤葦君オチの別の作品もパクられておりますが。) (2020年2月13日 0時) (レス) id: 86d6650740 (このIDを非表示/違反報告)
飴ちゃん - すっっっごいおもしろかったです!あの、1つ気づいたのですが、同じ題名で、似たお話がありましたが、大丈夫なのでしょうか…?(他の作者の作品っぽいです) (2019年11月5日 18時) (レス) id: 3e3ede44b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルカ | 作成日時:2016年11月1日 0時

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