月島、彼女に惚れ込んでます【月島蛍】

#39 瀬見side ページ39

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『そういえば蛍くん！！』

「なに」

『チョコ！』

「なに」

『愛を込めて作った！』

「ん」




おうっふ。



朝からまたあのカップルに遭遇かよ。







どうも。瀬見です。









クソ。バレンタインなんてクソ。なくなれ。クソ。





非リアにとっては悲しい年間行事ランキングの
上位に食い込むであろう、バレンタイン。





それが今日だった。







世間は、真っピンクか真っ青に分かれるなか




目の前で楽しそうにイチャイチャしているカップルは、

オーラがピンク過ぎる。





しかも見るの二回目な。



俺どんだけ遭遇してんだよ。













『なに作ったと思う？』

「……当てる」

『おうよ！！』






おし。俺も当ててやる







「ガトーショコラ」



お、月島はそう来たか。


なら俺は、トリュフだな。






『ほんとにそれでいい？』




ふぁいなるあんさー？


と平仮名チックな発音で彼女は念を押す






「ファイナルアンサー。」





月島がそう言うと、彼女は

ふっふっふっ


と どこぞの悪役やねんという突っ込みを入れたくなるような笑い方をした。








『正解はー』



ごくり。














『クロワッサンー！！！！！！！』









うおっ、あぶねっ



俺は、予想の斜め上どころじゃない答えに、
思わず転びそうになった。









「ハ？チョコって言ったじゃん」




そーだそーだ！！！月島！！！！！もっと言え！！！









『チョコ味のクロワッサンです！』

「……ふーん」




月島は、解せぬとでも言いたそうな声音。







その間に彼女はカバンから例のブツを取り出していた。












『はい！あげる！』

「ん。ありがと」






可愛すぎず、シンプルにラッピングされた例のブツ。




月島は、それを開けて中から取り出した。



クロワッサンを。








「よく作ったね」

『愛のパワー！』

「不器用なのにね。」

『いーから早く食べて！』




いーなー

フツーにクロワッサン美味そうだし





「ん、美味しい。」







そう言って月島は、彼女の頭を撫でた。









……いーなー！！！！


リア充いーなー！！！！！









『んふふ』




くそ。

幸せそうじゃねぇかよ









幸せそうで良かったよクソ野郎。
















……でもまぁ、俺も結構チョコ貰ったけどな！！！！





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