【番外編】そうだ、甘味処に行こう! ページ24
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それなりに鬼を倒せばお給金がもらえる。
もらったお給金の使い道は人それぞれだ。
私は今日、貯まったお給金を使おうとしていた。
事の発端は善逸との会話からである。
「今日はお給金貰えるね」「Aちゃん今までお給金何に使った?」「俺は今回ねぇ、Aちゃんに簪贈ろうと思ってるんだぁ」などなど、
その会話から私はそういえば今まで私利私欲のためにお給金を使ったことがあっただろうか?と考えたのだ。
よく良く考えれば今まで必要最低限の物でしか使っていない。一難去った今、少し贅沢をしてもいいのでは?と思った。
そこで自分の好きな物を考える。
とは言っても娯楽などは分からないし、自分を着飾ることにも慣れていない。
不意に、藤の花の家紋の家で出された和菓子を思い出す。
口当たりなめらかで甘くて頬が蕩け落ちそうなほど美味しかった。またあれが食べたい、と思い返した際に思ったのだ。
かと言ってあの家を訪ねるわけにもいかない。
同じくあの家にお世話になった善逸が隣にいるわけで、私よりも善逸は世間に詳しい。
ならば聞いてみるのも一つの手では、と思ったのだ。
「善逸、あの、藤の花の家紋の家で食べた甘いもの、覚えてる?」
「練り菓子のこと?」
「練り菓子、って言うの?」
「花の形した桃色のやつでしょ?うん、あれ練り菓子っていうの。それがどうかした?」
「あれね、また食べたいの」
「えーっと、……つまりあれかな、Aちゃんは俺との逢引で甘味処に行きたいってことかな!?いいよ勿論すぐに行こう!!!」
「わわ、」
それまでののどかな雰囲気はどこへやら。
手を握られそのまま外に出る。
頂いたお給金を持ったまま、善逸に連れられて行き着いた先は先程も会話の中で登場した甘味処である。
町に出ることすら片手で数えられる程度の私にとって甘味処は未知の世界。
手馴れたように注文していく善逸は本当に同じ人間なのかと疑ってしまう。
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くずもち(プロフ) - いさん» なかなか時間が作れず更新疎かになってしまってすみません、、。ありがとうございますっ! (2020年3月1日 2時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
い - くずもちさんのお話がとても好きです!このお話をこのまま続けてくれると嬉しいです (2020年2月29日 21時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - あさん» 了解しました、書かせて頂きますっ! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - マリィさん» ありがとうございますっ!承りました、書かせて頂きます! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 柱達に甘やかされるお話が見たいです! (2020年2月15日 13時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くずもち | 作成日時:2020年1月26日 19時