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話せば彼は炎柱様だとか
ぎょっとして後ずさったのは少し前の話だ。
すかさず失礼な態度をとってしまったと謝れば、炎柱様は気にしていない様子でおおらかに笑う。
それよりも何故そんな御方が私の存在を知っていたのか、という話になる。
「俺も任務帰りでな、聞けばこの近くで鬼の目撃情報があるという。そしてそこに新入隊員である君が行くという情報を聞いたのだ。ならば俺も同行しようと来てしまった!」
「任、務帰り、なら、お休み、した方が…」
「必要に感じたら休息はとる、今はまだそのときではないだけだ!」
なるほど。
ようやく納得がいき、それ以降黙ってしまう。
日が落ちる時間よりも早くに村に着くことを目標にしているため小走りでの移動が続く。
本来ならばそれなりにしんどいはずが、呼吸のおかげか修行のおかげかさほど苦に感じない。
結局村に着いたのは日が落ちるよりも前だった。
これはこれで好機である。
煉獄さんと分かれ、ちらほらと家の中に入ろうとする村の人を捕まえては情報を得る。
わかったことと言えば娘が狙われていることくらいである。これでは村に着く前と状況は全く変わらない。
煉獄さんが得た情報も私が得たものと同じようなものだった。
それにしても、娘を狙う、なんて話前にも聞いた気がする。
あれはまだ炭治郎と禰豆子の3人で任務に行っていた時だ。
あの時私は気を失って、結局何も役に立てなかった。
だけど今回は違う、鬼に何度か遭遇して恐怖心は薄れた。慣れた、とまではいかなくても、多少なり場数を踏んだのだ。
今度こそ役に立ってみせる。
「A」
煉獄さんに名前を呼ばれる。
道中会話が少なかったとは言え全く話さなかった訳では無い。
それなりに話してそれなりに仲良くなった、というのは失礼だろうか。
「これ以上の聞き込みは無意味だ。」
「そう、ですね、皆さん、から、得られる情報は、少ないですし」
あとは鬼が出てくるのみ。
とは言っても都合よく出てきてくれたりなんかしない。
だからといって悲鳴が上がるのを待つわけにもいかない。
静まった村の中を歩く。
鬼はどこだ、と警戒しながら。
ふと、耳をすませば水の垂れる音
鼻につく鉄の匂い、本当にあれは水の垂れた音だろうか
急いでその場に向かう
くたりと横たわった娘の体
その近くには
「…………
「ーー嗚呼、憎い」
私を恨んだその人が姿を変えてその場にいた。
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くずもち(プロフ) - いさん» なかなか時間が作れず更新疎かになってしまってすみません、、。ありがとうございますっ! (2020年3月1日 2時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
い - くずもちさんのお話がとても好きです!このお話をこのまま続けてくれると嬉しいです (2020年2月29日 21時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - あさん» 了解しました、書かせて頂きますっ! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - マリィさん» ありがとうございますっ!承りました、書かせて頂きます! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 柱達に甘やかされるお話が見たいです! (2020年2月15日 13時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くずもち | 作成日時:2020年1月26日 19時