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朝食を食べ、療養中だがお世話になっている身だ。
できることはないかと聞けば簡単な掃除をお願いされたので床拭きや窓拭きなどこなす。炭治郎たちと比べ私の傷は大分浅い、むしろ骨の1本すら折れていない。
体力が有余るとはこういうことを言うのだろう。
私の元に任務は来ないのだろうか、と考えていたのが数時間前の話だ。
見慣れた鴉が私に任務を言い渡す。
西の方角で娘ばかりを狙った事件が続いているという。しかもそれは決まって夜に行われる。ならば鬼の可能性が高いだろう。
家主のおばあさんにお礼を言った。
炭治郎たちに任務のことを伝えた。
みんな納得した表情ではなかった。
「鬼殺隊に、なる、ということは、そういうこと。
暗い顔しないで」
炭治郎たちと出会って言葉を話す機会が増えた。
師範と二人の時も喋っていたけれど、私も師範も寡黙な人だった。
だから、炭治郎たちと出会って流暢に言葉が話せてくる自分に驚いていた。
私はみんなには感謝してる。
だから、1人で任務に行ったところで死ぬつもりなどない。
「また、会おう?」
初めて仲間と、同期と、友達と、指切りげんまんをした。
絶対に約束は破らない。
それだけを伝えて藤の花の家紋の家を出た。
ーーー
今まであった騒がしさがぱたりと消えて少し寂しくなった。
おかしなことだと思う。
今まではこれが普通だったのに
「……へんなの」
自分がおかしくなっているような気がする。
烏に言われるがまま西の方角へ足を進める。
途中変な人に出会った。
食事処で「うまい!うまい!」と何杯もご飯を食べる人。
そっと素通りしたのだがあちらは私に用があったらしく、箸を置いて、頬に米粒をつけたまま私を呼び止めた。
「氷雨少女!」と
なぜ名前を知っているのかが疑問だった。
こんな人私の知り合いにいない。
そもそも私には炭治郎たち以外に知り合いなんていないのだ。
当たり前の事ながらに警戒した。
だが彼の素性を知れば警戒すら馬鹿らしく、むしろ失礼なことをしてしまったと自分を責める羽目になる。
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くずもち(プロフ) - いさん» なかなか時間が作れず更新疎かになってしまってすみません、、。ありがとうございますっ! (2020年3月1日 2時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
い - くずもちさんのお話がとても好きです!このお話をこのまま続けてくれると嬉しいです (2020年2月29日 21時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - あさん» 了解しました、書かせて頂きますっ! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
くずもち(プロフ) - マリィさん» ありがとうございますっ!承りました、書かせて頂きます! (2020年2月15日 22時) (レス) id: 36447771e0 (このIDを非表示/違反報告)
あ - 柱達に甘やかされるお話が見たいです! (2020年2月15日 13時) (レス) id: dbde7cb3be (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くずもち | 作成日時:2020年1月26日 19時