ドリムの長女は優等生 (ページ10)

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『……マーク…？どうして泣いてるの？』

Aに言われるまで、自分が泣いてることに気づかなかった。
だけど、すごく苦しくて、苦しくて…。

悲しいのはAの方なのに、苦しいのはAの方なのに……泣きたいのはAの方なのに。

一度溢れてしまった涙は全然止まってくれなかった。

『あいご〜泣かないで。マークは何も悪くないでしょ？』

まるで幼い子供をあやすように、優しく俺を抱きしめてくれたA。

「ちがっ…！ごめっ、…俺っ、あの日っ、きっとっ…A
　がっ、苦手なっ…目っ、してたっ…！ごめんっ…！」

『そんなことないよ。マークは何も分からない私にすごく優
　しくしてくれて、側にいてくれたでしょ？私はとっても救
　われたんだから。』

Aの優しい笑顔に更に涙が溢れてしまう。

同い年の、俺よりも少し小さな体に縋るように抱きついた。
小さな手が俺の背中を優しく撫でてくれる。

しばらくの間、Aの腕の中で泣いていた。
こんな姿、ヒョンや弟達には絶対に見せられない。

『ねぇ、マーク。あなたの目に私はどう写ってる？』

やっと落ち着いた頃、Aの青い瞳が俺を見つめて聞いてきた。

……そんなの、決まってるじゃないか。

「すっごく、すっごくっ、綺麗だよっ…！栗色の髪もっ、
　雪みたいな肌も、空みたいにっ、澄んだ瞳もっ…！
　まるでっ、天使みたいでっ！俺はっ、大好きだよ……！！」

『っ！…天使なんて…初めて言ってもらったよ笑
　ふふっ、ありがとう。私ね、大好きって言ってくれる人が
　一人でもいてくれるなら大丈夫だから。』

ほらっ、もう泣かないで。と、優しく俺の涙をハンカチで拭いてくれた。

その笑顔はまるで太陽みたいに眩しくて…。

この時、誓ったんだ。

この笑顔を絶対に曇らせないって。
これ以上Aが傷つくことがないようにするって。

この先、どんな困難があっても一緒に乗り越えていくって。