ドリムの長女は優等生 (ページ7)

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時が立つのは意外と速いものだ。

Aが練習生になって、しばらく経った8月。

韓国って冬はめちゃくちゃ寒いけど、夏は暑いっていうのはもちろんのことで…。

「あー…暑い…。」

『そんなこと言ってたら余計暑くなるよ。』

「だって仕方ないだろ…。」

さっきまでバカみたいに何時間もぶっ通しで踊ってたからガチで暑い。

汗だくの俺の隣で、涼しそうな顔をするA。
…それもパーカーを羽織って。

さっきまで踊っていた、というのが嘘みたいだ。

「なぁ…それ暑くない？てか、絶対暑いだろ。」

『んー、そこまでは…。それにこれ薄いし、下は半袖だし。』

そういえば、Aが半袖とかを着ているところは見たことがないかもしれない。極度の寒がりなのだろうか。でも、なんか違う気がする。

自分でも分からないけど、どうしてかを解明したくて疲れてあまり働かない頭で考える。

「Aってあんまり肌見せたくない派？」

こんくらいしか理由が出てこない。

『ん…まぁ、そうなるのかな。』

いつもとは違って素っ気ない返事。

いつものAと少し違ったから、なんて返せばいいのかわからずに戸惑ってしまった。

というより、女子に肌見せたくないかなんて聞く俺が悪かったのかもしれない。

少しだけ、俺とAの間に気まずい空気が漂った。