ドリムの長女は優等生 (ページ5)

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ドンヒョガが呟くと同時に練習室全体がザワついた。

「どうして女子が…」という声が至るところから聞こえる。

「それじゃあ、私は戻りますね！」

『えっ！？ちょっと！？』

"天使"を残して、スタッフさんは帰って行った。

だけど、こっちから見てる感じ"天使"はこの場の状況を理解してないように見える。

まぁ、当たり前だろう。
いきなり男しかいない部屋に連れてこられた挙げ句、連れてきた本人に置いて帰られたのだから。

『えっと…えっと……。』

「「……」」

混乱する"天使"と突然のことに動揺して何も話せない俺達。
それに初めて見る"天使"を全員が見つめるから"天使"はとても気まずそうだ。

誰もが一言も喋らない時間が少し続いた後、一番最初に沈黙を破ったのはテヨンイヒョンだった。

TY「ほら、みんな。そんなにジロジロ見つめないの！みんな
　も驚いてるだろうけど、今一番混乱してるのは彼女なん
　だから。」

テヨンイヒョンは俺達練習生の中でもリーダー的な存在だ。
きっとヒョンもかなり動揺してると思うけど、そんな素振りを見せずに"天使"に向き合おうとしているところは流石だと思う。

TY「いろいろとごめんね、俺達もいきなりのことだったから
　みんな驚いちゃったんだ。俺はイ・テヨン。君の名前を
　教えてくれる？」

『…チュン・Aです。』

チュン・A

それが"天使"の名前なのか…。

TY「その…Aは制服着てるから…学生だよね？
　今何歳？どこの学校？」

『1999年生まれの17歳です。ソウル科学高校1年生です。』

ソウル科学高校って…めっちゃ頭いいとこじゃん。

TY「わぁ、頭がいいんだね。99年生まれならマークと同い年
　か…マーク！」

「は、はいっ!」

いきなり名前を呼ばれたもんだから声が裏返ってしまった。

TY「この子、マークと同い年だって。良かったら仲良くして
　ほしいな。」

「えっと…はい…。」

変に緊張して上手く声が出なかった。
"天使"からしたら「あぁ。この人、嫌がっている」と思われても仕方ない。

だけど、俺の心配とは反対に"天使"が見せたのは、花が咲いたような笑顔だった。

『よろしくお願いしますねっ！マークさん！』

「っ、！！」

この時、この時だ。
自分でもよく分からなかったけど、"天使"を受け入れたのは。