ドリムの長女は優等生 (ページ22)

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電話のコールが3回鳴った後、大好きなあの子の声が聞こえた。

『ヨボセヨ？スーチョンオッパ？』

あぁ、Aの声だ。
少し高めの、だけど柔らかくて全てを包みこんでくれるような優しい声。

ずっと聞きたかった声が聞けた余韻に浸ってしまい、少しの間声が出なかった。

『オッパ…？いますよね？私一人で電話してないですよね？』

「あぁ…ごめんごめん。A、久しぶり。こんな時間に電
　話してごめんね。どうしてもAの声が聞きたくなっ
　ちゃって…。」

今の俺はまるで、遠距離恋愛に悲しむ彼女みたいだ。
Aに女々しい奴とか思われてるかもしれない。

『ふふふっ、可愛いお願いですね。大丈夫ですよ。もうお仕
　事終わってお家にいますから。』

やっぱりAは優しい子だ。
こんなの一般的に見たらただの迷惑だろうに。

「ありがとう。…明日はスケジュールとかあるの？」

『明日は雑誌のインタビューだけなのでお気になさらず！
　…オッパは今お仕事終わったんですか？』

「ん、今家に帰ってきたとこ。」

『わぁ…大変でしたね。お疲れ様です。』

何だろう、Aには不思議な力がある気がする。
だって話しているだけでこんなにも温かい気持ちになれるんだから。

最後に二人で喋ったのはいつだったけ？

2020の活動のときはショウタロウとソンチャンが加入したばかりで、Aは二人に気をかけてあげていたからあんまり話せれなかった。

3月の「Kick Back」のときだって、Aのソロの活動と重なっちゃってお互い忙しかったし…。

でも、やっぱり何とかして話す時間を作っておけば良かったと今では思う。

もしかしたら、今年はもう韓国に帰るのは難しいかもしれないから。