ドリムの長女は優等生 (ページ21)

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"ただいま"を言える場所ページ21

WWside

［ふぅ…。］

数日に渡って続いた怒涛のスケジュール。
今日、やっとその全てが終わって帰宅しているところだ。

マネヒョンの運転する車の窓から見えるのは夜であろうと光が消えることのないビル街。

現代人ってホントに働き者だなぁ…。

MN「着いたぞ、今日もお疲れさん。しばらくは休みだからゆ
　っくりしろよ。」

「ありがとうございます。マネヒョンもお疲れ様です。」

マネヒョンにお礼を言い、車から降りて、マンションのエレベーターに乗り込む。
音のない無機質な空間は少しだけ苦手だ。

ガチャ

家のドアを開けると、俺を迎えるのは誰もいない部屋。
いつ帰っても当たり前のことだけど…。

"おかえりなさい！"

そう言って迎えてくれる人がいてくれたらいいのに。

中国での活動を始めてもうかなり経つのに、やっぱりあの宿舎が懐かしい。

うるさいと感じていた場所も今となってはこんなにも恋しい場所になっているなんて。

あの頃は、思いもしなかったのに。

次に帰れるのはいつかなぁ…。

「……。」

時計を見れば23時を知らせている。

…あの子はまだ起きてるかな。

もうこんな時間だ。良い子ちゃんだから寝ているだろう。

もし起きていたとしても、疲れてるに決まってる。

あの子に負担はかけたくない。

…それでも、それでも声だけでもいいから聞きたい。

こんなわがままにつき合わせるなんて俺は本当に悪い人間
だ。

でも、あの子のことだから『そんな可愛いわがままならいくらでも聞きますよ！』って言ってくれたりするのかな…笑

ほんの少しの期待を抱いて、愛しのあの子に電話をかけた。