ドリムの長女は優等生 (ページ19)

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『勉強してるみんなを見てるとあの頃を思い出すの。』

「ん…？」

フニャッと笑った後、ヌナはどこか懐かしそうに喋り始めた。

『私もね、こっちに来たときは韓国語全く分からなかった
　の。お父さんは韓国人だけどイタリアにいたときの会話は
　全部イタリア語だったから話す機会も聞く機会もひとつも
　なくて。中学校に入学した時もクラスメイトが何話してる
　のか分からないし、自分の言いたいこと言えないし…。
　毎日机に引っ付いて必死に勉強してた笑』

ヌナは基本的に何回か練習したらすぐにできる人だ。
ヌナにもそんな時期が…俺みたいな時期があったんだ…。

『でも…学校の休憩時間で勉強してた時に隣の席の子がね、
　「私で良ければ韓国語教えようか？」って言ってくれて。
　すっごく丁寧に教えてくれてね、初めてこっちでできた
　お友達なの。あの子がいなかったら今の私はいないんじゃ
　ないかって思えるくらい。』

『みんながあの頃の私と重なってきてさ…。ついお世話焼きた
　くなっちゃうの。……きっとあの子もそんな気持ちでいたん
　だろうね笑』

そう言って優しく微笑むヌナは本当に天使のような温かさがあるように感じた。

『あのね、ロロ。たしかに最近寝不足だし、正直に言えば眠
　たいよ。でもね、今はロロ達と一緒にいるのがとにかく楽
　しいの。だから私は大丈夫だよ。』