[文豪ストレイドッグス]もう一度、この手を引いて[芥川龍之介]

過去編13 ページ36

、



｢何をしている｣


Ｑちゃんとケーキを食べているとき背後から声がした


お兄ちゃんだ…


お兄ちゃんの声、と認識すればＱちゃんの目つきが睨むように変わる



｢忌み嫌われるＱに優しくするなんてどうかしているんじゃないかい？


今すぐ出ていけ｣


｢い…嫌です…｣


お兄ちゃんを睨みつけ、Ｑちゃんを守るようにＱちゃんの前に立つ


バチンｯ…


頬に鈍い痛みが走った


目元に熱が集まってきてＱちゃんの声でさえも耳に入らなかった



この日、大好きだった兄から、大嫌いで…




殺して仕舞いたいほど憎い存在に急速に変化して行った



｢貴方なんて…大嫌いだ…貴方が此処から立ち去るべきでしょう…

私は覚悟が出来ている…だから此処にいるんです｣



此処から出ていけ、その言葉…そっくりそのままお返しいたします

"太宰さん"



｢さぁ、此処から出て行ってくださいませんか？Ｑが怖がっています"太宰さん"｣



ーーー


この日からだろうか、私が子供らしい感情を出さずになり

太宰治の事を兄と呼ばなくなったのは



そして、私は初めて人を殺す任務に就いた




何の感情も出さず課せられた任務を着々とこなす人間になった



『冷酷な拷問具(torture)』



私に捕縛された人間に口を割らない捕虜はいない


そんな俗称がついた



その真実を知らない呑気な愚者たちの間で




、

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