38話 ページ39
『おはよー』
「おーいおちゃん」
「はよー」
3年生が卒業を控えた時だった
俺らも式の準備をして、気持ちを作って…俺も少しお世話になった先輩達だからなぁ
…そんな時だった
野球部の練習を見終わった頃
あたりは真っ暗
…家に帰れば誰もいない
全ての部屋が真っ暗で、母さんがいる気配もない
静まり返った家
リビングの電気をつければなにか、紙が置いてあった
［ごめんねー、この家売ることにしたから！
多分明日頃には役所？不動産？の人が来ると思うなぁ。
でもまぁ、居場所はあるでしょ！じゃあね！］
…なんて呑気な…
俺の母さんは自由だ
すぐに海外に行くし、思いついたら車をとばしてその場所に行くし
…俺と家を捨てて、俺の知らない場所にも行く
…何処に行こう
明日までに…
きっと母さんは全ての契約もしているはずだ
俺が居なくてもこの家は無くなるだろう
こうやって冷静に考えてるけどさ
…相当キてるよ
まじで、何処に行こう
＿＿
＿
「…なんか今日は元気ないじゃん」
「ほんっとそう…、何があったんだよ」
『…親戚いないしなぁ…。兄弟とか…居ないし…。』
朝からブツブツと呟いている俺
御幸の言葉にも倉持の言葉にも答えられない
「なぁ」
「いおちゃん、ほんとどうしたんだよ、…引越しでもすんの？」
『…っあ…』
御幸の言葉がやっとはっきり耳に届いて我に返る
やばい
どうしよう
『…俺…野宿かも…』
「は？」
「どうしたんだよ」
『……なぁ…俺どこに住めばいいと思う…？俺どうしよう…
あーあ…折角3年生の卒業式まで溜めようとしてた涙が…勿体ない…』
「…ちょっと倉持、A担いで着いてきて」
「わかった」
また二人の会話も聞こえないまま体が宙に浮いた
あれ…俺もう天からの迎えが…
…いや…でも光もないし…
そう思っていた矢先、背中に衝撃が走り、耳元で「起きろ！！！」
なんて大声が突き抜ける
『う、るせぇなっ…！！』
「…お前が起きないから。
わり、制服汚した」
『あれー…ほんとだ…大丈夫大丈夫…気にしない…』
「…な、A。俺ら話…聞きたいんだけど」
目の前の御幸が珍しく真剣な顔で、俺の名前を言ってきた
…そんな顔されたら言うしかないじゃんか。なんかもう今更嘘もつけないと思うし
『…言うよ、だからそんな険しい顔すんな』
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俺(プロフ) - TAINさん» ありがとうございますっっっ…！好きなものはいくらでも書けるんで！大丈夫です！頑張ります！ (2019年3月30日 0時) (
レス) id: f45de2f027 (このIDを非表示/違反報告)
TAIN - だ、ダイヤのAまで。。無理しちゃダメですよ！！まぁ、がんばってください！ (2019年3月30日 0時) (レス) id: 091e46b26b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：俺 | 作成日時：2019年3月28日 21時
