嫌な奴、【松田陣平】

はじめまして ページ19

委員会の日。
私は招集されたクラスでただ今待機中。
先生行ってと言ったら普通に却下されたし、もう一人の子が行ってくれるかもしれないと思っていたら、押し付けられたので渋々来た。


皆して私の扱いが雑過ぎると思うの。
でもジュースの奢りで来ちゃう私が馬鹿なんだよね。知ってる。


｢あの、３組ってここの席ですか？｣


｢…っはい！そうです。｣


そう答えるとその彼は私の後ろの席に座った。
雅が同じクラスにイケメンがいる…！と騒いでた人だった。

なんかどこかで見た事ある顔なようなないような。
他人の空似かな。

それよりも、イケメンというよりこれは可愛い系だね。
笑ったらベビちゃん。
数多の女性を落としてきたなこの男は。
雅が騒いでたのも頷ける。


そういえば名前も教えて貰ったんだけど思い出せないな。
漢字は思い出せるんだよね。たしか、諸伏景光。


……あ！


｢えっと、しょふひろみつさんですよね！｣


そうだ。しょふさん。苗字珍しい〜って思った記憶ある。


｢ふふっ。｣


あれ、なんかめっちゃ笑われてる。
目に涙までためちゃってるよ。
名前言い当てられるってそんな面白いもん？


｢俺は、三組の諸伏景光(もろふしひろみつ)です。よろしくね。｣


もろふしひろみつ？


｢oh......。ヨロシクオネガイシマス。｣


恥ずかしくてこの場から早く立ち去りたい。
いっそ誰か私を埋めてくれ。


｢なんでカタコト。名前、聞いてもいいかな？｣


面白そうに笑う諸伏くんだけど嫌味な笑い方じゃない。どっかの松田くんとは大違いだなぁ。


｢二組の舞崎。舞崎A。名前間違えてごめんね。諸伏君。｣


｢全然気にしてないよ。特別感あってしょふくん呼びも悪くないかもね。｣


あー、諸伏君ここでニコッと笑うのね。
天然たらしだな。

諸伏君の優しさに惚れて告白するも諸伏君側はそんなつもりじゃないから告白されても断っちゃう。
それで、じゃあなんであんな優しくしたの！って言われる。
そこで、君だけに優しくしたんじゃないよって言っちゃうんだよね。
その言葉に怒った女の子に平手打ち…


｢諸伏君！｣


｢は、はい！｣


｢平手打ちされないように好きな子だけに優しく。君は、本当に、無自覚で女の子をおとしちゃうから。後、余計な一言は絶対に言うな。心に留めるんだ。｣


平手打ち？好きな子？一体何？何の話？って顔しながらも頷くの優しいね。
戯言だと思ってても覚えてて欲しい。


｢わ、わかった。ありがとう。｣

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