種目決めは揉めやすい ページ17
*
残りの夏こそ平穏に終わり、地獄の学校生活が始まった。
私を含めクラスメイトは、どこか夏休み気分が残っているのと、暑さが相まって気持ちがだれている。
しかし、今はそんな気持ちは元からなかったかのように体育祭の種目決めで大いに盛り上がっていた。
「はい!私は、リレーやりたくないです!」
足の速い奴ほど何故か辞退しようとするし
「山田と二人三脚?むりむり。絶対嫌。」
山田君は可哀想だし
「メイク落ちるじゃん。やだ〜。私達補欠に入れておいて〜。」
自己主張激しめの化粧けば女はいるし
「体育祭とかだるくね?バックれようかな。ま、だれもいなかったら俺リレーやってもいいけど。」
面倒くさがってる俺かっけぇって思いつつも自分が活躍できる種目にさりげなく立候補する奴もいる。
たかだか種目決め。されど種目決め。
自分の意見を押し通そうとして誰も他人の話を聞かないから、授業時間が過ぎても尚終わらない。
しかも、先生は傍観者を貫き通している。
こんなにうるさいのに他クラスの迷惑になるとか考えてないの?
お前はそれでも教師か。
「あの〜、話聞いて欲しいです。」
実行委員になってしまった私は風邪で休んだもう1人の実行委員と使い物にならない先生に代わって嫌々だけどこのクラスを収めなければならない。
「あの〜!」
どれだけ声を張ってもそれ以上にうるさいこのクラスに私の声は響かない。
「くじ引きにするぞこら!」
「……」
そんな中で出た私の一言により一気に静かになるクラス。
なんて簡単なのかしら。
「皆が出たい種目があるのも分かるし、やりたくない種目があるのもわかる。けど、皆が皆自分の意見を主張してたら何も決まらないよ。譲り合いの精神って大事だと思うんです。」
頼むよ。もう私は種目が決まってる子のさっさと帰らせろっていうこのビシバシ伝わってくる目線に耐えられるほどできた女じゃないんだ。
「なあ舞崎。」
可哀想な山田くんが不満そうな顔で話しかけてきた。
「そういう舞崎だって、出たくない種目あるだろ。実行委員だからって偉そうにすんなよ。」
と言われたが、お前そういう所が女子に嫌われるんだぞと思ったよね。
あんたが二人三脚で女子と仲良くなってあわよくば付き合おうとしてるの知ってるからな、と言ってやりたいが、面倒臭いのでその言葉を飲み込んだ。
「偉そうにしてないし、さっさと終わらせたいから、私は余ったのでもなんでもいいよ。」
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志瀬(プロフ) - RIOさん» コメントありがとうございます!松田君も夢主も褒めてくださって感激ですし、私の妄想大爆発の松田君をかっこかわいいという素敵なお言葉で表して頂けて嬉しい限りです!これからも不定期更新にはなってしまいますがよろしくお願いします! (2022年5月5日 0時) (レス) id: 7da7865bef (このIDを非表示/違反報告)
RIO - めっっちゃ面白いです!!この話!松田さんマジかっこかわいい、、あと、夢主ちゃんの性格めっちゃ好きです(笑)更新頑張ってください! (2022年4月30日 0時) (レス) @page16 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:志瀬 | 作成日時:2022年1月12日 2時