検索窓
今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:31,131 hit

8 ページ9






「A…?」


師範の戸惑いが混じった声が聞こえる。




くるりと振り返り、後ずさると師範は私が何をしようとしているのか察したかのように更に目が開い
た。


私がそろそろだと合図を出すかのように微笑むと師範は震えた声で言葉を発する。



「A…お願いだから貴女だけは…貴女も私の前から消えないで…」



私も見てきた。


カナヲ以外の師範の継子の遺体を


陰影額に飾られた満面の笑みのあの子たちの写真を




でもね師範



「なにが『消えないで』だ。アンタみたいな折角カナエ様の言ってた通りに笑顔の仮面をかぶっていたのに、会って数日の男の言葉に吹っ切れるようなヤツの言葉なんて、信用できないよ」


キッと師範を睨むと、師範は分かり易く動揺した。


ふと奥の方を見るとハアハア、と息を切らして荒い呼吸で酸素を吸っているカナヲとアオイがここに来ていた。



「A、な、なにしてるの…?」

「止めてよ…お願い、死なないでッ…」



カナヲもアオイも、やっぱり師範と同じことを言う


アオイはまだ理解できるよ。だって何も出来ない自分なんて居る意味ないって思うよね。そうなら炭治郎の言ってることは心に響くのはわかる。でもねカナヲ



「カナヲだって結局は炭治郎がコインを投げたから、そうしているだけでしょう?」


カナヲの地雷を踏んだのか、カナヲの真っ白な頬が紅潮して赤くなっていく。


「ふざけない____」


カナヲが言いかけた時、私の足は宙にあった


「!!」

「ーッ!」

「え、…?」




「じゃあね、みんな」




『来世で会おうね』

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
52人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

瑠衣 - データが全部消えるとかマジで落ち込みますよね・・・!!続編を出してくれるだけでとても嬉しいのでいつまでも待ってます!楽しみです (2021年3月2日 16時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣 - うぉう・・・。感情移入がすごく出来過ぎて、切なくなります。応援してます!! ボソッ 炭治郎と仲直りできると良いですね! (2021年2月28日 15時) (レス) id: 9f4a8dbb0c (このIDを非表示/違反報告)
きまぐれ - 凄く共感できる作品です。これからも頑張ってください!応援しています! (2021年2月28日 10時) (レス) id: ecd424d2bd (このIDを非表示/違反報告)
きまぐれ - 大丈夫ですよ。私も炭治郎好きじゃないんで。←いやこの発言事態が大丈夫じゃねぇよ。 (2021年2月28日 10時) (レス) id: ecd424d2bd (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:葉華 | 作者ホームページ:http://mkn  
作成日時:2021年2月26日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。