【安室透】黒い世界に舞う天使４【黒の組織】

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無理心中なんて……と思いながらも、事件は淡々と片付けられていった。


子供とはいえ、私ももう15歳。


世の中の仕組みを段々と理解してきて、頼るべき大人とそうでない大人との区別も出来ているつもりでいる。


その道のプロの刑事さんたちがそう言うのならそうなんだろうと思うことにした。


両親の葬式も終え、私は群馬にある父方の祖父母の家で生活することになった。


進路の事を一から決め直したり、受験勉強に身が入らなかったりと、色々大変だったが、幸い祖父母は受験に協力的だったため、私の希望する進路を快く受け入れてくれた。


そうして無事第一志望合格。


勉強に部活にバイトと、目まぐるしい日々を送りながら、いつしか自立を求めるようになった。


これ以上、二人に迷惑をかけちゃいけない。


自分で稼いだお金で、二人に恩返しをしたい。


私は祖父母の家を離れる決心を決めた。


大学の進路には”東都大学”と書いた。


生まれ育った米花町へ戻って、誰の力も借りずに一人で生きるのだ。


バイトで貯めたお金は、ほとんど手を着けていないし、何より両親の遺産が莫大で、学生の自分には到底使いきれないから、金銭面では困らないだろう。


その事を祖父母に話すと、大学の進路には賛成してくれたが、わざわざ独り暮らしをしなくても……と、心配そうに話してくれた。


でも、私は無理やり押しきって、勉強の合間にスマホで東都大学付近の物件を漁っていた。


そうやって、センター試験、二次試験、と次々と試験をこなしていった。


自信は大有りだった。


センターは自己採点をしてみたが、合格ラインは軽々突破。


二次の方だって、過去問と同じような問題がいくつかあったから、それなりに点は取れているはずだ。


迎えた合格発表当日。


いくらか自信はあるからといっても、ドキドキはしてしまう。


私は貼り出された紙の番号と、自分の番号を見比べる。


勉強中に嫌と言うほど目を通した数字も、今絶対に目を離したくない。


えっと……私の番号、私の番号＿＿


私の番号、私の番号は＿＿






どこ？





まさか、と思った。


センター、二次共に合格しててもおかしくない程の出来映えだったのに。


模試だって、いつもA判定だったのに。


追い込んで追い込んで、最後まで気を抜かずに勉強したのに……！


何度も何度も確認するが、そこに私の番号はなかった。


周りの黄色い声がやけに煩かった。

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