【安室透】黒い世界に舞う天使2【黒の組織】

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メモ用紙の『透』と似顔絵の『透』は、止めやはらいなどの癖が全く同じだった。


いつも『安室さん』と呼んでいるのに、なぜあの時だけ『安室透さん』と書いたのか あの日の私は何を考えていたのだろう。


「でも、それじゃ証拠にはならないじゃないですか」


私は若干前のめりになりながら言った。


「それに、さっきから何が言いたいんです？10年前のことも、事実だったとしても一体何が……」


安室さんは今日何回目かもわからない冷酷な視線を向ける。


冷たく、恐怖を感じさせる目。


でも私には、なんだか無理しているように見えた。


「僕が言いたいこと。それは、あなたは“涼暮純”ではなく……」


安室さんがそこまで言ったところで、私は混乱した。


え？待って！


私の正体を、本当の姿を、今ここで暴くつもりなの……？


そうしたら、安室さんだって、自分が“安室透”ではないって、バレてしまう可能性が高くなっちゃうじゃん！


そんなの、あまりにも無謀すぎる。


私は安室さんのように、正体が国を守るような警察ではないんだよ！


ただの普通の一般人なのに……。


そう頭の中であーだこーだ考えている内に、安室さんは次の言葉を発するために、口を開いた。


「あなたは本当は雨野Aであるということ」

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