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彼の目は真剣で、さっきまで自分が考えていたことがどんなに浅はかなことだったかを思い知らされる。
「……さあ、知りません」
どう答えればいいのかわからず、すぐにバレそうなな嘘をつく。
「そうですか。ではこれを」
そう言って安室さんはまた鞄から紙を取りだした。
顔は安室さんのように微笑んでいるのに、発せられる言葉は冷たく私に突き刺さった。
私はこの場をやり過ごせる術が何も思いつかず、ただじっと次の言葉を待つことしかできなかった。
「これは僕の記憶ではあなたが描いたものです。」
安室さんが見せたのは、10年前、確かに私が描いた彼の似顔絵だった。
「……黙ってないで何か言ったらどうだ?」
何も言わない私に、ピシャリと言い放った。
今までで一番キツい言い方だった。
話したらボロを出しそうで、怖くて何も言えなかった。
早く話を進めたいからか、ずっと黙っている私に呆れたのか、安室さんは口を開いた。
「僕とあなたは10年前にポアロで出会った。その時に描き合ったものが、この二枚です」
「証拠は……!私が描いたっていう証拠はあるんですか?」
そこでやっと、私は口を開くことができた。
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美奈子(プロフ) - 希都さん» そう言ってくださるとめためた嬉しいです!発狂しすぎて、タンスに小指とかぶつけないように気をつけてくださいね笑コメントありがとうございました! (2019年12月28日 19時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - 発狂しました(突然どーした)めためたこのお話好きです!!あの、更新楽しみに待ってます!! (2019年12月27日 0時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - 華さん» そう言ってもらえるととてもありがたいです!小説を書く意欲がモリモリ湧いてきます笑これからも、楽しみに更新待ってくださると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年12月23日 21時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 安室さんと純ちゃんの告白シーンで『私も好きですあなたの小説がぁぁぁ!』って叫んじゃいましたwいつもステキなお話をありがとうございます!次の話も楽しみにしてます!! (2019年12月22日 23時) (レス) id: 2299dcb7f6 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - kurauda0827さん» コメントありがとうございます。コメントもらうの初めてなので、とっても嬉しいです!亀更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美奈子 x他1人 | 作成日時:2019年10月11日 20時