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「うぅ、さぶっ……」
ポアロから出れば、冷たい風が頬をかすって、身を震わせた。
「純さん」
安室さんに呼ばれて振り向けば、ポンと頬に温かい感覚。
「ココア……ありがとうございます」
私はココアをほっぺに当てたまま、安室さんにお礼を言った。
そんな私を見て、安室さんが笑みを浮かべたのもつかの間。
「……ところで、お話って何ですか?」
私が微かな期待を込めて安室さんの顔を見た時には、睨むような目付きで私を見ていた。
やっぱり違うよね……。
私はココアを強く握り直した。
その温かさが、私を慰めているみたいで自分を惨めに思った。
「ああ、話……」
安室さんは自分の鞄から一枚の紙を取り出した。
「……これ、あなたですよね」
私はその紙を見て目を見張った。
「どうしてそれを……安室さんが……」
それは安室さん……いや、降谷零が描いた私。
そして、本来なら私の家にあるはずの物だ。
「どうしてそれを……」
訳もわからず同じ事を二回繰り返して言った。
「あなたの家で、一緒に雪国を飲んだとき、少し漁らせてもらいました」
淡々と話す彼の姿は、もう“安室透”ではなかった。
これが本来の彼の姿、“降谷零”なのだろうか?
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美奈子(プロフ) - 希都さん» そう言ってくださるとめためた嬉しいです!発狂しすぎて、タンスに小指とかぶつけないように気をつけてくださいね笑コメントありがとうございました! (2019年12月28日 19時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - 発狂しました(突然どーした)めためたこのお話好きです!!あの、更新楽しみに待ってます!! (2019年12月27日 0時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - 華さん» そう言ってもらえるととてもありがたいです!小説を書く意欲がモリモリ湧いてきます笑これからも、楽しみに更新待ってくださると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年12月23日 21時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 安室さんと純ちゃんの告白シーンで『私も好きですあなたの小説がぁぁぁ!』って叫んじゃいましたwいつもステキなお話をありがとうございます!次の話も楽しみにしてます!! (2019年12月22日 23時) (レス) id: 2299dcb7f6 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - kurauda0827さん» コメントありがとうございます。コメントもらうの初めてなので、とっても嬉しいです!亀更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美奈子 x他1人 | 作成日時:2019年10月11日 20時