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後から思えば、どうしてあの時気づかなかったんだろう。
私はパソコンで「降谷零」を調べ始めた。
しかしいくら探しても、情報は出てこない。
ロックが何重も掛かっていて、一つ解けたと思ったらもう一つ……そんな調子の繰り返しで、もう諦めようかと思ったその時
「降谷零」「警察庁警備局警備企画課」
それに続いて階級や生年月日、経歴など情報が事細かに記されていた。
どんどんスクロールしていくと、一つリンクがあることに気づいた。
私はすぐにそれをクリックする。
「えっ」
私は目を疑った。
パソコンの画面に映るのは、明るい髪色の、褐色肌で、綺麗な青色の、私がよく見知った顔……
「安室……さん」
どういうこと?
彼は安室透ではないの?
ずっと……嘘をついていたの?
いつの間にか、涙を流していた。
『そうだ!名前、つけましょう』
『「透」。お兄さんの目、きれいで透き通っているように見えるから』
『「偽名」はどうかな?』
次々と10年前に交わした会話を思い出していく。
10年も前のことなのに、昨日のことみたいに思い出せる。
それなのになんで、今さら何だろう。
「降谷零」と過ごした時間は、私にとって特別な日だったのに。
どうして「安室透」として、「涼暮純」として会ったときにちゃんと思い出さなかったのだろう。
悔しい。
悔しいし悲しい。
静かに泣く私を、画面の中の彼は冷たく見つめていた。
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美奈子(プロフ) - 希都さん» そう言ってくださるとめためた嬉しいです!発狂しすぎて、タンスに小指とかぶつけないように気をつけてくださいね笑コメントありがとうございました! (2019年12月28日 19時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - 発狂しました(突然どーした)めためたこのお話好きです!!あの、更新楽しみに待ってます!! (2019年12月27日 0時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - 華さん» そう言ってもらえるととてもありがたいです!小説を書く意欲がモリモリ湧いてきます笑これからも、楽しみに更新待ってくださると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年12月23日 21時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 安室さんと純ちゃんの告白シーンで『私も好きですあなたの小説がぁぁぁ!』って叫んじゃいましたwいつもステキなお話をありがとうございます!次の話も楽しみにしてます!! (2019年12月22日 23時) (レス) id: 2299dcb7f6 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - kurauda0827さん» コメントありがとうございます。コメントもらうの初めてなので、とっても嬉しいです!亀更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美奈子 x他1人 | 作成日時:2019年10月11日 20時