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「オイ、おめえら、何コソコソ話してんだ」


その時、背筋が凍るような感覚を覚えた。


その鋭い眼、長い銀髪、漆黒に纏った装い……。


「ジン……!」


話を聞かれたかもしれない、そしたらベルモットはどうなる?


そんなことを考えて、焦る私に対し、ベルモットはいつも通りの堂々とした立ち振舞いで、ジンと向き合った。


「ちょっと、女の子同士でしかできない話よ」


「お前、もう『女の子』なんて言える歳じゃ……」


「何て?」


ジンが言い切る前に、ベルモットが睨みを入れた。


その迫力と言ったら底無しで、さすがのジンも黙ってしまった。


「そういえば、今度の任務二人一緒よね。たまにはジンも笑って宜しくしてみればいいじゃない」


かつてない明るさのベルモットによって、向い合わせにされた私とジン。


「よ、よろしく……です」


ガチガチに固まりながらも、何とか笑顔を作って言う。


見下ろされて、物理的に上から目線でさらに身の毛がよだった。


「……まあ、ヘマ外さねぇようにせいぜい頑張るんだな」


そう薄く笑って言えば、ジンは私の横を通って行ってしまった。


私は追いかけようとしたが、ベルモットに手を捕まれ動こうにも動けない状況になってしまった。


「ジンは、あなたのこと疑っているのよ」


ジンが見えなくなるのを確認してから、ベルモットは口を開いた。


「ジンだけじゃない。他の人も……“あの方”だって」


そんなことを言われたって、私は冷静だった。


自分でも驚くほど、落ち着いていた。


ベルモットは掴んでいた私の手をそっと離した。


「ジンとウォッカは、あなたをきっとどこかで見張っている」


「……ずいぶんと豪勢な見張り役ですね」


「何を言っているの?……とにかく、事が収まるまで怪しい行動は避けるのよ」


ベルモットの強い口調に、私は大人しく「はい」と頷くしかできなかった。

3→←ジンのロールスロイス



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美奈子(プロフ) - 希都さん» そう言ってくださるとめためた嬉しいです!発狂しすぎて、タンスに小指とかぶつけないように気をつけてくださいね笑コメントありがとうございました! (2019年12月28日 19時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - 発狂しました(突然どーした)めためたこのお話好きです!!あの、更新楽しみに待ってます!! (2019年12月27日 0時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - 華さん» そう言ってもらえるととてもありがたいです!小説を書く意欲がモリモリ湧いてきます笑これからも、楽しみに更新待ってくださると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年12月23日 21時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 安室さんと純ちゃんの告白シーンで『私も好きですあなたの小説がぁぁぁ!』って叫んじゃいましたwいつもステキなお話をありがとうございます!次の話も楽しみにしてます!! (2019年12月22日 23時) (レス) id: 2299dcb7f6 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - kurauda0827さん» コメントありがとうございます。コメントもらうの初めてなので、とっても嬉しいです!亀更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:美奈子 x他1人 | 作成日時:2019年10月11日 20時

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