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「あなたのほうこそ、その工藤新一が、どうかしたの?」
哀ちゃんが逆に聞いてくる。
「実はね、今度小説に工藤新一みたいな高校生探偵を出そうと思ってて」
適当にそれっぽい理由を並べて、哀ちゃんの警戒を解こうとするが、多分どうやったって今は無理だろう。
何も答えずにスタスタと私の前を行き、丁字路の真ん中でその足を止めた。
「じゃ、私、ここ曲がるから」
「そっか、じゃあね」
私が別れの言葉を言い終わるよりも前に、哀ちゃんは背を向けて歩きだしていた。
……と、思ったら、突然ピタリと足を止めて、くるっと回れ右をして、私のところへ戻ってきた。
「ずっと気になってたんだけど、ここ」
哀ちゃんが指差した先は私の鞄。
「蜘蛛、ついてる」
「え、え!ウソ!」
素早く鞄を見れば、鞄には小さな蜘蛛がくっついていた。
「え、やだ!取って、哀ちゃん!」
はあ、とため息をつく哀ちゃん。
仕方ないわね、と言うような表情で私の鞄から蜘蛛を取った。
「ふぅ、ありがとう」
お礼を言えば、哀ちゃんはプイッと横を向いて、すぐに歩きだしてしまった。
照れてるんだな!
そう思うとなんだか可愛らしく見えてきて、ふふっと笑った。
「じゃあね、哀ちゃん!」
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美奈子(プロフ) - 希都さん» そう言ってくださるとめためた嬉しいです!発狂しすぎて、タンスに小指とかぶつけないように気をつけてくださいね笑コメントありがとうございました! (2019年12月28日 19時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - 発狂しました(突然どーした)めためたこのお話好きです!!あの、更新楽しみに待ってます!! (2019年12月27日 0時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - 華さん» そう言ってもらえるととてもありがたいです!小説を書く意欲がモリモリ湧いてきます笑これからも、楽しみに更新待ってくださると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2019年12月23日 21時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - 安室さんと純ちゃんの告白シーンで『私も好きですあなたの小説がぁぁぁ!』って叫んじゃいましたwいつもステキなお話をありがとうございます!次の話も楽しみにしてます!! (2019年12月22日 23時) (レス) id: 2299dcb7f6 (このIDを非表示/違反報告)
美奈子(プロフ) - kurauda0827さん» コメントありがとうございます。コメントもらうの初めてなので、とっても嬉しいです!亀更新ですが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月12日 20時) (レス) id: 74c5dae3a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美奈子 x他1人 | 作成日時:2019年10月11日 20時