Diamond Frost (ページ1)

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真っ白な世界を踏みしめて歩いていた。

雪の影響で交通機関が
止まったりする所が出てるのに
我知らずといった様子で
紫耀が事務所を出ていくから追いかけた。

先が見えないほど降り続ける中でも
紫耀が足を止めることはなくて

どれくらい歩いたのだろう
普段の道にいるはずなのに
雪のせいで何も分からなくて
凍えそうな寒さを耐えていた

紫耀は平気なのかな。
感覚のなくなってきた
指を擦り合わせていると

｢寒い？｣

少し前を歩いていた
紫耀が足を止めて
そう聞いてくる。

寒いかなんて見なくてもわかる話だ。
それでも、｢寒い｣と声になる前に
おおむろに自分のマフラーを外して
俺に巻き始める。

戸惑ってる俺を他所に、
震えてる指に視線を落とすと
包み込んでくれる。

温かくて、擽ったい。

｢もうちょっとで駅つくから｣

｢.....ん｣

繋がれたまま紫耀が歩き始める

なんとも言えない歯痒さと共に
好きだなぁ、なんて
マフラーに顔を埋めて
言えない言葉を呟いた。

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