言えない本心と聞きたい君の言葉【テニプリ】完結済み (ページ20)

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次の日の朝。
Aは生活指導の先生に呼び出されていた。
A「ご用件は何でしょう？」
先生「昨日の放送についてだ。」
A「…そうですよね。先生方が放っておくわけありませんよね…」
生活指導の先生は腕を組み、Aを睨んでいた。
先生「……放送する気か。」
A「もちろんです。ぼくは放送部員、折角のお便りを無視するわけにはいきません。」
Aは大きく頷いた。
先生「…正直、イジメと捉えられてもおかしくないぞ。お前に、無理矢理告白させようとしているんだからな。」
A「……いえ、イジメではありません。寧ろ、僕は彼女に感謝しているんです。」
先生「はっ！？」
先生は驚いた。
Aが笑顔でそう答えたからだ。
A「僕、この気持ちは伝えないつもりだったんです。でも、彼女は僕に勇気を出すチャンスをくれました。……これで、想いを伝えて……彼を忘れられる。」
Aはぎゅっと手を握った。
ズボンにシワがよっている。
先生「………それでも、我々教師はAを止めねばならない。A専用目安箱は、回収した。誰も手紙を入れないようにするためにな。」
A「………承知しました。」
先生「おそらく今日の放送まで、お前は注目の的だ。女子生徒が近づけば、嫌でも目立つ。」
先生はドヤ顔で笑った。
A「……では、失礼します。」
Aは席を立ち、指導室を後にした。
A「もう、遅いですよ先生…」
廊下で、Aは呟いた。
Aはポケットから一通の手紙を取り出す。
A「(朝、教室の机の中に入っていましたよ。匿名希望さんと同じ筆跡の…手塚君宛のラブレター…)」
Aは手紙をポケットに入れなおし、自分の教室へ向かった。