言えない本心と聞きたい君の言葉【テニプリ】完結済み (ページ13)

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女子生徒「手塚くん！」
手塚が校門へ向かうと、一人の女子生徒が声をかけてきた。
手塚「？…どうした？」
その女子生徒は、手塚と同じクラスの生徒だった。
女子生徒「実はこのプリント先生に頼まれて…渡しておいてくれって！」
女子生徒は鞄の中から、一枚のプリントを差し出した。
手塚「……そんなに急ぎのプリントではないな…明日でもよかったんだが…」
女子生徒「！？…えっと、先生からは「渡しておいてくれ」としか言われなかったから…」
手塚「そうか…」
手塚は受け取ったプリントを、鞄にしまった。
女子生徒「それで…えっと………さ、最近どう？テニスの方は…」
女子生徒は手塚の横に並んだ。
足を一歩踏み出すので、手塚もつられて一歩進んだ。
足はそのまま進んで行き、駅までの道のりを進み始めた。
手塚「いつも通りだ。皆練習に励んでいる。」
女子生徒「そうなんだ。て、テニス部って皆個性的で…とても楽しそうだね！」
手塚「そうだな…皆、どんなに辛い練習でもついてきてくれる…」
女子生徒「素敵ね！そういえば、この間手塚くん見かけた時あって…その、Aくんと仲良いのかな？」
今までの会話とは違い、女子生徒は手塚の顔色を伺いながら訪ねた。
手塚「？……あぁ、水道にいたときか。いや、あの時話したのが初めてだ。」
女子生徒「そうなんだ…ふーん……」
女子生徒はニヤリと笑って、前を向いた。
手塚「？」
女子生徒「なんでもないよ。あっ今度、部活見に行ってもいいかな？」
手塚「あぁ構わない。」
女子生徒「やった！ありがとう！」
女子生徒は嬉しそうに手を差し伸べてきた。
無視するわけにはいかず、手塚はその手を握りしめた。
あとは一方的に彼女が話し続けていた。
手塚は頷くばかりであった。
手塚「………はぁ…」
手塚のため息は、そのまま空気に消えていってしまった。
手塚の頭は、Aのことでいっぱいだった。
手塚「(もう一度…会えるだろうか…)」
やがて、二人は駅で別れた。