言えない本心と聞きたい君の言葉【テニプリ】完結済み (ページ11)

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手塚「………おい、Aの好きな人とは「戻った方がいい…」っ！？」
手塚の言葉を、Aが遮った。
A「テニス部、だったよね。あっちで乾君が手を振っているよ。」
Aが指差した方向には、確かに乾が手を振っていた。
手塚「…あぁ。」
A「………手塚君。」
テニスコートに向かおうとした手塚を、Aは呼んだ。
A「君は今日、何も見ていない……そうだよね？」
手塚「！？……あぁ、何も見ていない。」
A「ありがとう…ごめんね。さようなら。」
Aは軽く手を振り、手塚を背に歩きだした。
手塚はAが見えなくなるまで、彼の背中を見つめた。
手塚がテニスコートに戻ると、乾が話しかけてきた。
乾「Aと話していたのか？」
手塚「……いろいろあってな。少し話した。」
乾「何を悲しそうな顔をしている？」
手塚「？…そう、みえるか…」
手塚は自分の手のひらを見つめた。
乾「？」
手塚「これは乾には言えない…内緒だ。……竜崎先生に今日のメニューを聞いてくる。」
手塚は顧問の竜崎のもとへ向かった。
乾「……面白い。手塚のあんな表情初めて見た。」
乾は手に持っていたノートにそっとメモした。