烏野陸上部 Fairy taleの貴公子【HQ】完結済み

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放課後。
Aは荷物をまとめ、陸上部の部室に向かった。
結局今日は田中と会えず、放課後になってしまった。
Aはトボトボと、渡り廊下を歩いていく。
様々な部員が、準備を始めていた。
A「(体育館から、バレーシューズの擦れる音がする…今日…まだ会えていない…早く、早くあなたに伝えたいです…)………田中さん…」
田中「呼んだかA??」
A「え」
Aは驚いて、カバンを落とした。
目の前には、肩にタオルをかけた田中が立っていたのだ。
A「たっ……田中さん…」
田中「お疲れ、A」
田中はタオルを水道にかけ、Aに近づいていった。
しかし、Aは一歩一歩と後ろに進んだ。
田中「A??」
A「田中さん!!止まってください!!」
珍しく声を張り上げたAに、田中は驚いて足を止めた。
田中「な…んで………」
Aは、手を前で組んだ。
A「伝えたい…僕、田中さんに伝えたいことがあります……」
Aは顔を伏せ、手を震わせていた。
Aの緊張が伝わったのか、田中も真面目な顔をしてAの言葉を待った。
A「もう…我慢できない……」
田中「え」
Aは震えながらも、一歩ずつ田中に近づいた。
A「田中さんは今部活中で、こんな話するタイミングじゃないと思います。でも!!……それでも、今ここで聞いて欲しいのです……」
Aは田中の前で止まると、体操服の裾を掴んだ。



A「………あなたが好きです……愛しています…」

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